内田篤人さん、伊藤純也選手もトレセンに縁がなかったがプロで活躍。小学生年代のトレセンで一喜一憂する必要がない理由
子どもが高学年になると気になりだす「トレセン」。同じチームでも「あの子は選ばれたけど、うちは......」、「小さいから無理かな」、「選ばないってことは才能ないからサッカー以外に転向した方いい?」など親御さんを悩ますこともあります。
サカイクの読者であるジュニア年代のお父さん、お母さんが気になりがちなトレセン活動について、前回は東京都サッカー協会で技術委員長を務める中田康人さんに、選考基準について話を聞きました。
後編では、トレセンに選ばれなかった選手や親御さんへのメッセージを貰いました。
(取材・文:森田将義)
写真は少年サッカーのイメージ
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■中学、高校で順調に伸び続けるかはわからないもの
中田さんは東京都の技術委員長に就任するまでの12年間、日本サッカーを先頭に立って引っ張っていくエリートの育成を目標にするJFAアカデミーに所属していました。所属するのは、3次まである選考を進んだ10数名の選手のみ。
合格した親御さんの中には、「将来はプロになれる」と期待を抱かれる方もいましたが、中学、高校年代で伸びていくかは本人と指導者をはじめ周囲のサポート次第です。
「優秀な選手が多かったですが、誰が順調に伸び続けるか、いつ伸びるのかは指導者も分からない。私たち指導者含め、お父さん、お母さん皆さんでサポートし続けましょう!と伝えていました」と中田さんは振り返ります。
「保護者が期待するのは当然ですが、親御さんは見守ったり、励ましたりするのが大事。年齢が下がれば下がるほど、みんながプロになれるチャンスがある。だからと言って、そのまま順調にいくかは全く分からない。指導者と保護者と我々がタッグと組んで子どもたちの成長を見守ることが大切です」。
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■トレセンは将来が約束されるものではない。いずれ立場が逆転することも
トレセン活動も同じで、U-12年代で選ばれたからと言っても、将来が約束されるわけではありません。
JFAアカデミー福島では、U-12年代に県トレセンに入っていない選手もいました。反対にU-12年代で輝かしい経歴を持ち、中学からJリーグのアカデミーに入ったとしても、プロになれるのはほんの一握り。