子育て情報『「日本で最高のアカデミーをつくる」横浜FCアカデミーアドバイザーのリチャード・アレン氏に聞いた日本サッカー発展のヒント』

「日本で最高のアカデミーをつくる」横浜FCアカデミーアドバイザーのリチャード・アレン氏に聞いた日本サッカー発展のヒント

2022年3月、横浜FCのシニアフットボールエグゼクティブ・テクニカルアドバイザーに就任したリチャード・アレン氏。

イングランドでフィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)やジェイドン・サンチョ(マンチェスター・ユナイテッド)といったタレントを生み出す育成システムの基盤を作った人物です。

日本という国で育成年代を育むために必要なことはなにか、フットボールに必要な要素を育成年代で見出すために必要なことを、詳しく伺いました。

(取材・文:KEI IMAI)

目次

・日本サッカーの課題、日本らしいサッカーとは
・どんなに才能があっても、試合に出ないと成長しない


「日本で最高のアカデミーをつくる」横浜FCアカデミーアドバイザーのリチャード・アレン氏に聞いた日本サッカー発展のヒント

横浜FCのアドバイザーに就任したリチャード・アレンさんイングランドではタレントを生み出す育成基盤を作った

■日本サッカーの課題、日本らしいサッカーとは

――日本人の特性を踏まえて、どのようなアプローチが必要と考えていますか?また、日本サッカーの課題についてご意見を伺いたいです。

サッカーには原理原則というものがあります。それは国や社会に関係なく存在します。もちろん日本人とイングランド人の特性はそれぞれあります。それらを踏まえて最適なプレースタイルを模索していかなければなりません。


イングランドの場合は、育成年代では個の技術力を重点的に高めることを重要視しています。そのための育成プログラムが確立されています。日本はまだこれからですね。そこを構築していく段階だと思います。

――個人の能力は日本も上がってきていると思います。東京五輪の時に、田中碧選手が「2対2だったり3対3だったりになったときに相手はパワーアップするけれど、自分たちは何も変わらない」というコメントをしました。つまり、個人では戦えるようになってきたけれど、グループになるとまだ勝てないという趣旨だと思います。個人よりもグループでのプレーに課題があるかと思うのですがいかがでしょうか?
(出典:2021年8月7日配信GOAL.com「世界では「自分たちのサッカーが選べない」。
U-24日本代表MF田中碧が東京オリンピックで実感した"11人対11人"で勝つという意味」)

もちろん、日本の選手たちの個人技術は上がってきています。しかしながら、チームのルールに縛られて、その能力を発揮できないことが多いように思います。育成年代で何のための個人技術なのかが整理しきれていないこと、適切な状況で個人技術が表現できるような指導ができていないように思います。例えばボールポゼッションのための技術は上がったかもしれません、でも個人がリスクを追ってチャレンジし、状況を打開するための技術はまだまだ高められます。

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