プレミアリーグのタレント育成システムを作った人物が語る、「トッププレイヤーを育てるシステム」とは
イングランドでタレントを生み出す育成システムの基盤を作ったリチャード・アレン氏が、今シーズン横浜FCのシニアフットボールエグゼクティブ・テクニカルアドバイザーに就任。
前編では、リチャード氏が考える日本の課題、日本サッカー発展のために必要な要素を伺いました。
後編では、日本で「良い選手が生まれる仕組み」をどう作ればいいのかをお送りします。
(取材・文:KEI IMAI)
リチャードさんが語る、良い選手を育てるシステムとは
<<前編:「日本で最高のアカデミーをつくる」横浜FCアカデミーアドバイザーのリチャード・アレン氏に聞いた日本サッカー発展のヒント
■プレミアリーグでは自国人が試合に出られてない、という課題
――イングランドは選手育成において、どんな課題があったのでしょうか、その課題をどのように解決してきたのでしょうか。
プレミアリーグは世界各国のトップ選手が集まるため、非常にレベルが高いリーグです。イングランド人が試合に出られる割合は28~32%、チャンピオンズリーグになると22%ほどになるというデータがあります。つまり3割以下のイングランドの選手は、よりレベルの低いリーグでプレーしているということになります。
この状況を変えるために、まずイングランドDNAというプロジェクトを立ち上げました。
ホームグロウンプレイヤー(イングランド出身のトッププレイヤー)を増やすための取り組みです。
そのフィロソフィーとして、
1.WHO WE ARE 私たちは誰で
2.HOW WE PLAY どのようにプレーして
3.HOW WE COACH どのようにコーチをして
4.将来的なイングランドの選手を
5.スポーツ科学を取り入れて、DNAを育む
という5つの柱で取り組んでいます。
サカイクの最新イベントや
お得な情報をLINEで配信中!
■自国出身のトッププレイヤーを育てるシステム
エリートプレイヤーズパフォーマンスプラン(EPPP)というプレミアリーグと共同で運営しているものがありますが、これもホームグロウンプレイヤー(イングランド出身のトッププレイヤー)を量と質の両面で増やすことが目的です。
そしてアカデミーシステムへの投資も行っており、プレミアリーグから評価されアカデミーにはその評価によって異なる助成金が分配されます。分配されたお金は、ホームグロウンプレイヤーの質と量を上げるために、施設や指導者の確保など育成のために使われます。