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止める・蹴る・運ぶが目的になってはいけない。セレッソ大阪が足元の技術と同じぐらい重要視していること

サカイク
8月下旬に開催された、U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2022。セレッソ大阪U-12は、9~16位決定戦で鹿島アントラーズノルテジュニアから4ゴールを奪い、4対2で勝利しました。

試合を通じて「中央を攻める」プレーが印象的だったセレッソ大阪U-12の久川直裕監督(以下、久川)と選手たちに、話をうかがいました。
(取材・文:鈴木智之、写真:新井賢一)

止める・蹴る・運ぶが目的になってはいけない。セレッソ大阪が足元の技術と同じぐらい重要視していること

「中央を攻める」プレーが印象的だったセレッソ大阪U-12(C)新井賢一

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■アカデミーに変化をもたらした風間八宏さんの教え


――4対2で勝ちました。試合の感想をお願いします。

久川選手たちは暑いなか頑張ってくれて、僕らが大事にしている「止める・蹴る・運ぶ」の技術は発揮できたかなと思います。

――セレッソのアカデミーに風間八宏さんが来られて、指導面の変化は感じられますか?

久川はい。ユース、ジュニアユース、レディースと全国大会で優勝しましたし、選手たちの変化も含めて「ボールを大事にする」という面で変わったと思います。
アカデミーとしては個人の技術を重視しながら、ゴールという目的を持つ中で、常に次のプランを持ってプレーすることを意識しています。

■「止める・蹴る・運ぶ」はあくまでゴールを奪うための手段、それが目的にならないように


――選手に話を聞くと、全員の口から「止める・蹴る・運ぶ」という言葉がスラスラと出てきました。

久川子どもたちの中にその意識があるのは練習の成果かなと思います。ただ、止める・蹴る・運ぶはあくまでゴールを奪うための手段ですので、それが目的にならないように気をつけています。その技術を、試合のどこでどう使うのかを判断することが大事だと思っています。

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■足元の技術に特化するのではなく、相手を見てサッカーすることが大事


――試合中のコーチングでは、周りを見ることの重要性を伝えていました。

久川相手を見た上でサッカーをすることが大切で、それがあるからこそ、技術を発揮することができます。どうしても「止める・蹴る・運ぶ」の技術に特化してしまう子もいるので、相手を見ながらサッカーをすることや、相手の変化を感じること、相手の動きを見て逆を取ることができるようになることが大事だと思うので、そこを意識するような声掛けをしました。


――得点場面のように、中央のスルーパスやくさびを入れて落としたりと、グラウンダーのパスを中心に、狙いを持った攻撃をしているのが見て取れました。その辺りは普段から意識しているところなのでしょうか?

久川はい。僕らのコンセプトに、サイドよりも中央の、よりゴールに近いところから攻撃することがあります。ゴールを奪うためには、サイドに遠回りするのではなく、中央を攻めることが一番の近道です。だからこそゴールに一番近いところから、最短でゴールを目指すことを意識しています。

■風間八宏さんが来てからよりゴールへの意識が向くようになった

止める・蹴る・運ぶが目的になってはいけない。セレッソ大阪が足元の技術と同じぐらい重要視していること

「止める、蹴る、運ぶ」を目的にしてはいけないと語ってくれた久川監督(C)新井賢一

――風間さんは以前から「ペナ幅(ペナルティエリアの幅)」をキーワードに攻撃を構築していましたが、セレッソのアカデミーも重視しているんですね。

久川はい。アカデミーでも、トレーニングから「ペナ幅」は意識させています。
もちろんサイドを捨てるわけではなく、よりゴールに近いところ、ペナ幅でボールを受けて前を向くことや、相手が密集する中でも、ボールを受けることができる技術を身につけることが重要だと考えています。

そのためにも、止める・蹴るの正確性とスピードを上げることに意識を向けています。

――トレーニング自体も、風間さんが来る前と以降では、変わったのでしょうか?

久川トレーニングメニューに関しては多少の変化があります。止める・蹴る・運ぶがメインになるのですが、より早く、ゴールを奪いにいく部分は少し変わったと感じます。

今まではサイドを使ったり、時間をかけて崩す形が多かったのですが、「ゴールへの最短距離は中央だよね」と、より中央からゴールへ意識が向くようになってきました。

■ワーチャレは生で海外のチームを見ることができるいい機会


――ワールドチャレンジの意義については、どのように感じていますか?
久川子どもたちにとって刺激になりますし、生で海外のチームの試合を見ることができるすごくいい機会だと思います。

今年は海外のクラブと対戦ができなかったので、来年以降チャレンジしたいです。このサッカーをさらに熟成させて、またこの舞台に戻って来られるように頑張ります。


■「周りの選手と関わるところ」が身についた


選手のみなさんにも、試合の感想をうかがいました。

止める・蹴る・運ぶが目的になってはいけない。セレッソ大阪が足元の技術と同じぐらい重要視していること

大会を通じて個人ではパスやボールを止めることにこだわったという鈴木奏翔くん(C)新井賢一

背番号10番MF・鈴木奏翔(すずき・かなと)

――試合の感想を聞かせてください。

鈴木ボールを止めて蹴るがしっかりできて、勝てたので良かったです。

――大会を通じて成長したと感じるところは?

鈴木チームとしては前に関わるところで、個人ではパスやボールを止めることにこだわりました。

――セレッソに入って、どのようなことが身につきましたか?

鈴木練習では止めて蹴るをたくさんしているので、止める蹴るの技術は上手くなったと思います。

――好きな選手は?

鈴木メッシ選手です。

止める・蹴る・運ぶが目的になってはいけない。セレッソ大阪が足元の技術と同じぐらい重要視していること

FWとSBでプレーした伊東雅葵くんSBでは対人であまり負けなかったことが良かったと振り返った(C)新井賢一
背番号7番FW/DF・伊東雅葵(いとう・あおい)

――試合の感想を聞かせてください。

伊東フォワードとサイドバックでプレーしたのですが、サイドバックでは対人であまり負けなかったところが良かったです。
フォワードでは、動き出しでチャンスに絡むことができました。

――大会を通じて成長したと感じるところは?

伊東緊張してるときに、いかに自分の実力が出せるかが大事だと思うのですが、止める蹴るの部分では、実力を発揮できたと思います。

――セレッソに入って、どのようなことが身につきましたか?

伊東止める蹴るの他に、シュートも決められるようになったので、そういうところも上手くなったと思います。

――好きな選手は?

伊東メッシ選手です。相手が上手い選手でも、普通にドリブルで抜いてゴールを決めるので、かっこいいです。
止める・蹴る・運ぶが目的になってはいけない。セレッソ大阪が足元の技術と同じぐらい重要視していること

自分に自信が持てるようになったと教えてくれた谷口怜音くん(C)新井賢一

背番号4番DF・谷口怜音(たにぐち・れおと)

――試合の感想を聞かせてください。

谷口勝つことはできましたが、守備のところやボールを取られた後の戻りが甘い部分もあったので、そこを修正して次は0点で抑えて勝ちたいです。

――大会を通じて成長したと感じるところは?

谷口チームとしては団結力とか、みんなで支え合うところが強まったと思います。
個人としては、自分に自信が持てるようになりました。

――セレッソに入って、どのようなことが身につきましたか?

谷口周りの選手と関わるところとシュートです。

――好きな選手は?

谷口ネイマールです。ドリブルで相手をかわして、シュートを決めるところが好きです。

止める・蹴る・運ぶが目的になってはいけない。セレッソ大阪が足元の技術と同じぐらい重要視していること

金森類くんは試合を振り返って、後半はチーム一丸となってプレーできたことを良かった点としてコメント(C)新井賢一

背番号8番MF・金森類(かなもり・るい)

――試合の感想を聞かせてください。

金森前半は慌てるところがあったのですが、後半はチーム一丸となってプレーできたので良かったです。

――大会を通じて成長したと感じるところは?

金森チームとしては、初めは焦って悪かったところもありましたが、最後は質が高くなってボールが回り得点もたくさん取れたので良かったと思います。

――セレッソに入って、どのようなことが身につきましたか?

金森止める・蹴る・受ける・運ぶ・外すの質や、動き出しを学んでいるので、そこが上手くなったと思います。


――好きな選手は?

金森デ・ブライネ選手です。パスもシュートもドリブルも上手いところが好きです。

ワールドチャレンジ2022決勝戦の動画はこちら>>

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