親がコーチを怒鳴って辞めさせた。そんな少年団に息子を戻していいのか問題
■事実確認ができないと難しいが......
さて、アドバイスする前に私が抱いた二つの疑問をお伝えします。保護者のお母さんが日頃から不満を持っていたコーチを子どもの目の前で怒鳴ったことが原因で、コーチが辞めたとあります。しかし、この情報だけでは正直判断しかねます。
少年団の代表や他のコーチはどう受け止め、解決に動いたのか、もしくはまったく動かなかったのか。また、コーチは本当にこのことだけが原因で少年団を辞めたのか。そういったことをはじめ実際に何があったのかがわからないので、なかなか答えに窮します。
もうひとつ、「親の怒鳴り方がひどくて、かつ子どもたちの前で怒鳴り散らしたことが許せず、子どもを違う少年団に移籍させた」とあります。
一体このお母さんはコーチの何に不満だったのか。
どういうタイミングで怒りが爆発したのか。他の保護者も同調していたのかなど、事実確認ができません。
もしかしたら重篤なことがあったのかもしれませんが、子どもの前で他の親がコーチを怒鳴ったからと言う理由だけで、子どもが慣れ親しんだ少年団を辞めさせたのでしょうか。
そのようにちょっと情報が少ないなと感じますが、三つほどアドバイスさせてください。
サカイク公式LINEアカウントで
子どもを伸ばす親の心得をお届け!
■アドバイス①親がコーチをリスペクトしないと子どももリスペクトしなくなる
まず、親御さんはコーチに対してリスペクトする気持ちは大事だと思います。親が子どもの前でコーチ批判をしてしまっては、子どもだってリスペクトしなくなります。信頼関係が結べないので、子どもが成長できるエネルギーを生む関係性とは言えません。
その意味で、怒鳴られたコーチを、お母さんたちが救えなかったのかな?と残念に思います。
親と指導者の間で信頼関係があってこそ、子どもと指導者もよい関係を結べるはずです。
親が自分たちの感情だけで動いてしまっては、子どもにとって最適な環境を与えられないのではないでしょうか。
■アドバイス②親は子どもをリスペクトしなければならない
それと同様に、親は子どもをリスペクトしなくてはいけません。これがふたつめです。どんなに小さくても、子どもは生まれながらに意志を持っています。少年団を辞めさせる前に、息子さんに「どうしたいのか?」と確認したほうはよかったと思います。
ご相談文の書き方ですと、子どもの意志を確認したり尊重したりすることなく、有無を言わせず辞めさせたように映ります。