ドイツの育成現場に見る、日本もマネしたい「サッカーを通じて保護者も楽しめる環境」とは
サッカー大国として知られるドイツ。ワールドカップ優勝4回、ブンデスリーガも隆盛を誇っています。最近の対戦では日本代表が2勝していますが、歴史と実績のあるドイツサッカーから学び、参考にできることはたくさんあります。
2023年8月、サカイクキャンプ、シンキングサッカースクールでチーフコーチを務める菊池健太コーチが、ドイツのグラスルーツ年代を視察に行ってきました。そこで感じた「ドイツの保護者のあり方」を紹介します。
(取材・文鈴木智之)
ドイツの育成現場を視察して日本との違いを感じた「保護者のあり方」とは
サカイク公式LINEアカウントで
子どもを伸ばす親の心得をお届け!
■ドイツの保護者は相手チームの良いプレーにも拍手をする
ドイツのU-6、U-7、U-12、U-13の試合を視察した菊池コーチ。保護者の様子を「みなさん大らかで、サッカーが好きで見ている人が多いと感じた」と言います。
「日本の場合、試合の勝ち負けにフォーカスしたり、『自分の子に活躍してほしい』という雰囲気になることが多いのですが、ドイツの保護者は本当にサッカーが好きで、サッカーを楽しみに見に来ている印象を受けました」
自チームだろうが相手チームだろうが関係なく、良いプレーが起きたらみんなが拍手をしていたそうで、「そういう見方が浸透しているのだろうと感じた」と振り返ります。
■審判の判定をめぐってヒートアップすることもない
菊池コーチが視察したU-9の試合には、公式戦であっても審判がおらず、子どもたちの自己申告でプレーが続いていったそうです。
それも保護者は理解しており、「審判にクレームをつけようとしても、そもそも審判がいない」という状況もあり、判定をめぐってヒートアップすることはなかったそうです。
「審判がいないので『これは子どもたちの試合である』ということが、より一層明確ですよね。
ボールがラインを出た、出ないで多少の言い合いはありますが、『僕に当たったから、そっちのボールだよ』と言う子も多く、それもあって保護者が温かい目で試合を見ているのかなと感じました」
サッカーする子どもを伸ばす親の心得
「サカイク10か条」とは
■個人のミスが失点に直結したりミスを責めるような状況をつくらない
また、ルールに変更を加えることで、プレーが円滑にいくための工夫も見られたそうです。
「U-9の子たちが7対7で試合をしていたのですが、ゴールキーパーがボールを持ったときに、投げたり、蹴ったりしたボールがハーフウェイラインを越えると、相手ボールになるというルールが設けられていました。