「指導者ではあるけれど息子にサッカーを教えたことはない」昌子源選手の 父・昌子力さんが実践していた子どもへのかかわり方とは
兵庫県神戸市の街クラブ、「ロヴェスト神戸」代表である昌子力さんは、Jリーガーであり元日本代表である昌子源選手の父親です。
親としてそして指導者としての2つの視点から、サッカー少年・少女を育てる保護者として大事なこと、心得についてお聞きしました。
前編では親の立場から幼少期の源選手のサッカーへの関わりについてお話しいただきました。
(取材・文:貞永晃二写真:柳瀬心佑)
Jリーガー昌子源選手の父・昌子力さんに、サッカー少年の保護者としてしていたことを伺いました(柳瀬心佑)
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■指導者ではあるが、息子のプレーを見たことはほとんどなかった
―――源選手のジュニア時代のお話からお聞かせください
私は基本的には自分が指導するチームがありましたから、そもそも息子の試合を見る機会があまりありませんでした。息子がチームに入ったきっかけは、たまたまフレスカ神戸というクラブが近所の幼稚園に出張指導していたんです。
そのときの子どもたちが小学校に上がるときにフレスカ神戸はチームを立ち上げて活動を始めていたのです。それが息子の2歳、3歳上の年代の上手な子たちでした。息子はその先輩やお友達に誘われて入れてもらいサッカーを始めました。
そのチームは近所の公園で練習していたので仕事休みの木曜日にたまに見ることはあったのですが、土日の試合においては何回か見た程度でした。息子の送り迎えも皆無でした。それでも6年生のときに関西トレセンに選ばれ、私も協会スタッフとして会場入りするので、息子を車に乗せて行ったことがあったのですがそれが初めてだったくらいです。
■質問を続けていたら、その日のプレーを事細かに覚えて帰ってくるように
私は息子の試合を見ていない分、親として息子の様子を知りたいという気持ちは当然ありました。ですので帰宅してきた息子に夕食のとき質問するわけです。「今日どうやった?」「どこでやったん?何時頃までやってた?」「点入れたん?」とか......。
あまり矢継ぎ早にあれこれ質問したら息子も面倒くさくなるだろうから、頃合いを観ながら適度な間を作りながら質問をしていました。すると息子が質問に答えて、という繰り返しが日常になりました。
やがてあの子は父親に教えてあげようと考えたのか、その日のことをとても克明に細かく覚えて帰ってくるようになったんですね。