「話さないやつにはパスは来ない」松井大輔さんが語る、海外で活躍するために大事なコミュニケーション力
話さない選手には、パスが来ないんです。だから、しっかりとコミュニケーションを取ることが必要で、言葉でコミュニケーションが取れないなら、プレーで結果を残すしかありません。結果を残せば、自然と周りも認めてくれて、パスをしてくれるようになります」
■その国の人や文化を知ること、何でも食べられることも大事
海外で暮らすとは、新しい文化の中で生きることでもあります。松井さんは、こんな風に心がけていたそうです。
「僕が心がけていたのは『フランス人になろう』という意識です。フランス語を話すこともそうですが、人々の文化や考えを知ろうと努力していました。また、何でも食べられるようにしておくことも大切だと思います」
サッカー選手にとって、海外の食事は重要なテーマです。体作りの面からも、効果的な栄養摂取は欠かすことができません。
「僕がチームに入った時、身長は下から2番目でした。日本では平均的な身長(175cm)でしたが、海外では平均以下です。最近のサッカー選手はアスリート化しているので、体の大きさや当たりの強さも求められます。将来を見据えて、段階的に体づくりをしていく必要があります。日本の高校生も今は筋トレをしていますし、中学生も体幹トレーニングをしたりと、積極的に取り組んでいますよね。そういった面では、徐々に良くなってきていると思います」
■強い体を作るには十分な睡眠と栄養も必要
ⒸYOKOHAMA FC
強い体を作るには、練習だけでなく、十分な睡眠と栄養も必要です。松井さんは、小学生の頃から、「よく寝ること」を意識していたそうです。
「僕は小学6年生まで、毎晩8時に寝ていました。
十分な睡眠が取れたことは、成長に良かったと思います。野球の大谷翔平選手も言っていますが、睡眠は成長にとって、絶対に必要なものです。とくに小学生のときは、早く寝て、朝早く起きることを心がけたほうがいいと思います」
■先輩から多くのことを学ぶ
幼少期から、自分の体に目を向けてきた松井さん。プロ選手として長く活躍する過程で、先輩選手から多くのことを学んだそうです。なかでも、日本サッカー界の伝説的存在である三浦知良(カズ)選手からの、影響は大きかったと言います。
「僕が42歳まで現役を続けられた理由の一つは、カズ(三浦知良)さんやシュン(中村俊輔)さんという、素晴らしいお手本が近くにいたからです。