子育て情報『サッカーにおいてどうして「リスペクト」が必要なのか、相手を思いやる気持ちがサッカーに必要な理由』

サッカーにおいてどうして「リスペクト」が必要なのか、相手を思いやる気持ちがサッカーに必要な理由

というような、詳細な約束事やフィロソフィー(哲学)、行動規範を明文化し互いに確認し約束する仕組みを進めていきたいのだそうです。

フィロソフィーや行動規範をお互いが入会時に確認し、遵守する約束をして加入してもらうことで「ずれ」を減らすことが期待できそうです。

また、その共通認識があれば、クラブ内でスタッフが入れ替わった場合でも、すぐに対応ができます。選ぶ側にしても、そこに基づき、自分の価値観と合うクラブを選べれば、すれ違いは少なくなるのではないでしょうか。

今の段階で掲げているチームもありますが、実はきちんとチーム内で共有されていなかったというクラブもあるのだそうで、自分自身でチームのことを確認する意識を持っておくといいでしょう。

■JFAとチームを繋ぐ、ウェルフェアオフィサーという存在

「リスペクトに関してたくさんの発信はしているけれども、それを全国の隅々の日常まで届けること、届かせ続けることが非常に難しい」と現状の一番の課題について今井さんは話します。

JFAが開催する講習会を通じてライセンス指導者には伝える術があるけれども、それ以外の人に対して発信を届けることが難しく、特にJFA未登録のチームや指導者、その保護者には、本当は届けなければいけない情報が届いていないことが多々あるといいます。

そこで「ウェルフェアオフィサー」と呼ばれる担当者を、各チームから必ず一人出してもらうように準備をしているのだそうです。


当初ウェルフェアオフィサーは主に暴力、暴言の根絶活動を目的として作られたものですが、もうひとつ重要なウェルフェアオフィサーの役割は、直接JFAと各クラブを繋げることです。

「JFAの発信をクラブの皆さんに伝えてもらい、クラブの中で双方のパイプ役となる存在を置いてもらうよう進めています」

双方でのコミュニケーション構造ができれば、地域の少年団や街クラブなど、全てのチームにとって、サッカーへの意識・考え方が自ずと高くなることが期待できるでしょう。今井純子(いまいじゅんこ)
公益財団法人日本サッカー協会 リスペクト委員会 委員長
2016年JFA女子委員長に就任、女子サッカーの普及、国体少年女子の部、WEリーグ設立・開幕、女性指導者をはじめとする女性人材活用に取り組んできた。リスペクトにはプロジェクト開始時よりかかわり、2022年より現職。

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