上手くなりたいと言うのに自主練しない。アドバイスも嫌がる息子に頭を悩ませている問題
■言葉や行動の表面で判断せず、その裏にある「なぜ?」を考えよう
まず息子さんの言葉や行動の表面だけ見て判断せず「この子はなぜこうなるのか?」という「なぜ?」を、ここでも考えましょう。
例えば相談文に「下手な自覚はある。公園などで友達に誘われてもサッカーをしない、サッカー経験の父親ともやりたがらない」とあります。
さらに「辞めることを提案しても辞めたくないと言い、頑張りたい、上手くなりたいと言うけれど自主練を嫌がり、アドバイスされると命令されているみたいで嫌と言う」とお子さんの様子が詳細に書かれています。
この状況、私からは、公園でやらないのは友達に何かネガティブなことを言われるかもしれないと予防線を張っているように見えます。サッカー経験のある父親からも同様の予想をしていると思われます。お母さんから見ても、自分が下手なことを知られたくないことが伝わっているようです。
この様子からすると、今息子さんは、サッカーに取り組むために必要なエネルギーがなくなっている状態です。
車がガス欠のため、自分で懸命に押して動かしているようなもの。ガソリンになる自己肯定感が著しく低下しています。
■一見ポジティブだけど「現状のままではダメ」という意図が含まれている声かけになっている
そして、それは息子さんのもともとの性格もあるかもしれませんが、周囲の大人たちの接し方に課題があるのかもしれません。
砂いじりをしたことを叱るなど最近言い過ぎたということのみならず、息子さんが小さいときからの子育てはどうだったかに注目してみましょう。
励ますつもりが「もっと挑戦しなさいよ」などと命令調になっていなかったでしょうか。ああしろ、こうしろと、本人の意見や好き嫌いを無視して指示や強制をしていなかったでしょうか。
もっと挑戦しなさい、という言葉は、一見励ましているような、ポジティブな言葉に聞こえます。が、「もっと○○しなさい」は、現状のままではダメだという否定の意味も含まれます。
無論、「もっとできると思う。信じてるよ」といった励ましが効果的なタイミングもありますが、それは、すでに子どもがそのことを、ある程度主体的に自分で考え遂行できているときです。
今の息子さんには「僕はOK。どんなことがあっても大丈夫」といった自己肯定感が持てていません。それなのに強い言葉や態度で追い詰められるので、「お母さんやお父さんはいつでも助けてくれる」