「やる気が見えなくてイライラする」「やる気が見えるなら応援できるのに」という保護者に知ってほしい、子どものやる気を育てるのに大事なこと
■誰が主役?スポーツの現場でも重要視されている「アスリートセンタード・コーチング」とは?

(写真は少年サッカーのイメージです)
そもそも子どものやる気が見えないと素直に応援できないという保護者について、「主役が置き換わってしまっている」と筒井さんは言います。
スポーツ界でも選手を主役とし、選手が主体的にどう学ぶかにフォーカスした「アスリートセンタード・コーチング」という手法が注目されています。
選手のパフォーマンスを伸ばすには、選手自身が学ぼうとする意欲が重要なのだそうです。これを踏まえ、子どもが主役と考えた時、子ども自身がどうなりたいのか考えることが大切だと言います。
■低年齢の時から強い競技性を持ちすぎることの弊害とは

(写真は少年サッカーのイメージです)
本来小さい子どもは興味・好きなことは時間を忘れて、夢中になってやるものですが、いかに早い段階で、自分の興味を深掘りしていく経験ができるかが大切なのだそうです。
早い段階で勝ちにこだわり、競技化を強めたり、ルールを重要視しすぎると、子どもが主体的に興味を深めるところにいけない危険性があると言います。
また競技性を持ちすぎることで早熟な子が有利となり、早生まれが不利になりがちですが、こうした環境も子どもの成長の妨げになる危険があります。
「トップアスリートでも4〜9月生まれが多いと言われていますが、能力の高さの差というよりは、幼少期の経験から自信の持ち方の差が大きいのでは」と筒井さんは言います。
保護者も指導者も周りの子と比較せず、個々の成長に合わせ、子どもが好奇心を持って取り組める環境を作ってあげることが大事だと言えるでしょう。
■親の関わり方で変わる、子どもの興味を育てる大切さ
自分の目標を達成するためには、生まれつきの才能や資質よりも、やり抜く力「GRIT(グリット)」が重要だと言われています。
GRITは生まれつき持っているものではなく、後天的に身につけていくものなのだそうです。興味はそれを育む要素の一つだといわれ、この興味を伸ばしてあげられるかが重要なのだと言います。
「例えば子どもが好きなプレーや、やりたいプレーがあるのであれば、そういう映像を一緒に見たり、試合をテレビで一緒に見たり、実際に会場に見に行ければ、さらにいいと思います」と筒井さんは言います。
サッカーについて自分で調べてみたり、練習してみたり、子どもが興味を深掘りしていく力を身につけさせるために、まずは保護者が子どもの個性に合った環境を根気強く作ってあげられると良いようです。