転んだ時に手が付けない、サッカーするうえでもベースとなる運動が正しくできていない......、子どもの運動能力低下の原因と課題
今の子どもたちは外遊びや運動の機会が減少していて、特にコロナ禍を経て、運動能力の低下を肌で感じます。今まで見られなかった動きや「どうしてそうなっちゃうの?」と思うような状況も増えています。それでもサッカーのトレーニングだけで、サッカーを上手くしようとしている。
そこが重要なポイントで、走る、ターンするという動きも、サッカーの技術の一つとして捉えてほしい。そして、そのためのトレーニングをすることで、うまくいかない状況を改善するという考え方を持ってもらえると、子どもたちの成長につながるのではないでしょうか。
■二極化する子どもたちの運動能力サッカーの現場で感じること

(写真は少年サッカーのイメージです)
菊池:サカイクキャンプで子どもたちの様子を見ていると、いろいろな動きや遊びを経験している子は、鬼ごっこでも身体が素早く反応し、相手の動きを予測して逆を取るような動きができます。一方で苦手な子はずっと鬼のままの状況や、そもそも「鬼ごっこは嫌だ」と言うこともあります。
サッカーにおいても二極化が進んでいて、本格的に取り組む子と習い事感覚でやる子に分かれています。
後者は自己肯定感が低く、可能性を狭めてしまっているケースが多いです。
昔は中堅層が厚くて、トップを目指す意欲のある子が多かったように思いますが、今はそこが減ってきている。これは大きな問題だと感じています。
谷:その傾向はたしかにありますね。上手な子には、さらに運動能力を高めるトレーニングをしてあげたいし、苦手意識を持つ子たちには「こう動かすといいよ」というアドバイスを通じて「こうすればいいんだ」「前より上手にできた」という成功体験が必要です。
菊池:そう思います。たとえば、子どもたちに「ヨーイドン」で20mを走らせると、右手と右足が同時に前に出る子や、20mほどの距離でも走りきれずに転んでしまう子もいます。
谷さんのような体の動かし方のプロから指導を受けることや、我々指導者が知識を身につけて、正しく指導することの重要性を痛感しています。
そうすることで、子どもたちの苦手意識が少しでも解消され、自己肯定感が高まり、チャレンジ精神や「もっと良くなるにはどうしたらいいだろう」という探究心が生まれるきっかけになればと思います。
■子どもの自己肯定感を高めることで自信がつき、スポーツの記録が伸びた子も

(写真は少年サッカーのイメージです)