6年生になって「スタメン」という言葉に敏感になった息子 サッカー大好きなのに自信が無いのをどうにかしたい問題
5年生の終わりぐらいに上手い子たちが入ってきて、自信を失っている息子。「スタメン」という言葉に敏感になり、シュート出来る場面でもパス。
チームもサッカーも好きと言っているので自信をもってプレーしてほしいけど、親としてどう接すればいい?と悩むお母さんからのご相談。
スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに3つのアドバイスを送ります。
(構成・文:島沢優子)
(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
<サッカーママからのご相談>
島沢さんこんにちは。
6年生の息子は3歳からサッカーをしています。5年生の終わりぐらいから新しくうまい子が何人も入り、スタメンと言う言葉に敏感になるようになりました。
サッカーは大好き!もっと上手くなって頑張らないと!とは自分でも言ってるんですが、プレーを見ていると自信がないように思えます。
ディフェンスもガツガツ行かない。シュート出来る場面でもパスをします。自分がミスするしたりいいパスが出来ないとごめん!と謝ったり......。
チームの子から「トレセン落ちてるじゃん、お前」とかいろいろ言われてるみたいでいろんな事が重なりプレーに自信がないのかな?と思ってます。
チームは好き、サッカーも好きと言ってるので自信を持って欲しいのですが、親としたらどのように息子と接するのが良いでしょうか?
<島沢さんからの回答>
ご相談ありがとうございます。
メールに「5年生の終わりぐらいから新しくうまい子が何人も入った」とあるので、息子さんが所属するチームはもしかしたらレベルの高いところなのでしょうか。
ほかにも「トレセン落ちてるじゃん、お前」とかいろいろ言われている、と書かれています。トレセンが市なのか、地区なのか、都道府県なのかはわかりませんが、息子さんは以前選ばれていた、ということでしょうか。
もしもそうであれば、最高学年の6年生になって周りからの評価が落ちたと感じて自信を失っているのかもしれませんね。
周囲の大人や仲間から評価されていないと感じてしまうと、それは自信のない弱気なプレーにつながってしまうことがあります。そのような子どもに対し、大人は時として厳しく当たってしまいます。
例えば「なんで強気でいけないんだ!?」「攻め気出せよ」といった強い言葉と口調で奮い立たせようとしがちです。そういった「やる気出せよ」といった声がけは、行動心理学の専門家によると根性論に過ぎず、何ら効果は生まないと言います。
そこで質問されている「自信を失った子どもに対する接し方」について、3つほどお伝えしましょう。
まずは、サッカーの練習や試合から帰ってきた息子さんに対し「今日はどうだった?」とか「試合に出た?」「ゴールは決めたの?」などと細かく聞かないようにしましょう。
プレーの出来栄えを親が知りたがるということは、自分に対し何らかの評価をしているのだと子どもは受け取ってしまいます。
であれば、家庭は安全基地であるべきです。この安全基地は、ここ数年ビジネスの場などで盛んに言われる「心理的安全性」と同じ種類のものです。
心理的安全性とは、google(グーグル)を展開する米国の大企業が同社で仕事の効率性などさまざまなことを調査した「プロジェクト・アリストテレス」から出てきた言葉で、チームのメンバーが自分の失敗や異論を、立場が上の人や仲間に安心して表明できること。不安を抱えることなく自由に発言し、行動に移すことができる状態のことです。
調査の結果、この心理的安全性が、社内で生産性の高いチーム(部署など)において最大の共通要因でした。
3歳からサッカーをしていれば、最初はほかの子どもより上手にプレーできたのではないでしょうか。ところが高学年になって競争が激しくなり、自信なさげにプレーするようになった。
よって「ディフェンスもガツガツ行かない。シュート出来る場面でもパスをします。自分がミスするしたりいいパスが出来ないとごめん!と謝ったり」と息子さんを評価してしまうのです。
ありのままを伝えただけで評価しているつもりはないかもしれません。が、目に見える事象だけを追ってしまう気配は、息子さんに伝わるのではないでしょうか。私たち大人でさえ、自信を失っているときは余計に周りの目が気になります。息子さんも同様でしょう。
したがって、ぜひ家ではお母さんからサッカーの話をするのではなく、息子さんがしてきたら聞く。彼の話に耳を傾けることに集中してください。何も話さないのであれば、そっとしておけばいいのです。
2つめ。ピンチのときこそ引き算の子育てをしてください。
私もそうでしたが、親御さんたちは「どんな声掛けをすればよいか「子どもに良い影響を与えられるか?」と足し算ばかりを考えがちです。
しかしながら、良くない状況のときほど「引き算の子育て」が重要です。お説教したり、なにか啓発的なビデオを観たり、本を読むことを勧めるといった余計なことをしないほうがいいでしょう。
つまりは何も言わず見守ってあげることです。苦しんでいるのは、息子さん自身です。自信を持ってプレーすればうまくなるのか、うまくなったから自信を持ってプレーできるのか。それは彼にしかわかりません。もっといえば、自信を持ってほしいと願うことももしかしたら親のエゴかもしれません。
人間ですから、自信をなくすことだってあります。自信をなくしてうなだれているわが子をそばで見守ることは、親にとってつらいかもしれません。
しかし、逆を言えば、そのようなときだからこそ親の出番なのです。何でもうまくいってるときは、子どもも親のほうなど見もしません。顔色などうかがいませんよね?
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(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
3つめ。ご自分の子育てを振り返って、結果ばかり気にした瞬間はなかったか思い出してみてください。
スタメンであろうがなかろうが、君のことが大好きだよとぜひ伝えましょう。本当の自信は、安心安全な環境でこそ養われます。
今こそお母さんの胆力が試されるときです。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。新著は「ファジアーノ岡山「地熱」の奇跡 親会社なき市民クラブがどうやってJ1昇格を遂げたか 」(竹書房)
チームもサッカーも好きと言っているので自信をもってプレーしてほしいけど、親としてどう接すればいい?と悩むお母さんからのご相談。
スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに3つのアドバイスを送ります。
(構成・文:島沢優子)
<サッカーママからのご相談>
島沢さんこんにちは。
6年生の息子は3歳からサッカーをしています。5年生の終わりぐらいから新しくうまい子が何人も入り、スタメンと言う言葉に敏感になるようになりました。
サッカーは大好き!もっと上手くなって頑張らないと!とは自分でも言ってるんですが、プレーを見ていると自信がないように思えます。
ディフェンスもガツガツ行かない。シュート出来る場面でもパスをします。自分がミスするしたりいいパスが出来ないとごめん!と謝ったり......。
チームの子から「トレセン落ちてるじゃん、お前」とかいろいろ言われてるみたいでいろんな事が重なりプレーに自信がないのかな?と思ってます。
チームは好き、サッカーも好きと言ってるので自信を持って欲しいのですが、親としたらどのように息子と接するのが良いでしょうか?
<島沢さんからの回答>
ご相談ありがとうございます。
メールに「5年生の終わりぐらいから新しくうまい子が何人も入った」とあるので、息子さんが所属するチームはもしかしたらレベルの高いところなのでしょうか。
ほかにも「トレセン落ちてるじゃん、お前」とかいろいろ言われている、と書かれています。トレセンが市なのか、地区なのか、都道府県なのかはわかりませんが、息子さんは以前選ばれていた、ということでしょうか。
もしもそうであれば、最高学年の6年生になって周りからの評価が落ちたと感じて自信を失っているのかもしれませんね。
周囲の大人や仲間から評価されていないと感じてしまうと、それは自信のない弱気なプレーにつながってしまうことがあります。そのような子どもに対し、大人は時として厳しく当たってしまいます。
例えば「なんで強気でいけないんだ!?」「攻め気出せよ」といった強い言葉と口調で奮い立たせようとしがちです。そういった「やる気出せよ」といった声がけは、行動心理学の専門家によると根性論に過ぎず、何ら効果は生まないと言います。
そこで質問されている「自信を失った子どもに対する接し方」について、3つほどお伝えしましょう。
■アドバイス①家庭は安全基地プレーについて細かく聞かないようにしよう
まずは、サッカーの練習や試合から帰ってきた息子さんに対し「今日はどうだった?」とか「試合に出た?」「ゴールは決めたの?」などと細かく聞かないようにしましょう。
プレーの出来栄えを親が知りたがるということは、自分に対し何らかの評価をしているのだと子どもは受け取ってしまいます。
すでにコーチなど大人からさまざま評価されてきて疲れて帰ってくることでしょう。
であれば、家庭は安全基地であるべきです。この安全基地は、ここ数年ビジネスの場などで盛んに言われる「心理的安全性」と同じ種類のものです。
心理的安全性とは、google(グーグル)を展開する米国の大企業が同社で仕事の効率性などさまざまなことを調査した「プロジェクト・アリストテレス」から出てきた言葉で、チームのメンバーが自分の失敗や異論を、立場が上の人や仲間に安心して表明できること。不安を抱えることなく自由に発言し、行動に移すことができる状態のことです。
調査の結果、この心理的安全性が、社内で生産性の高いチーム(部署など)において最大の共通要因でした。
3歳からサッカーをしていれば、最初はほかの子どもより上手にプレーできたのではないでしょうか。ところが高学年になって競争が激しくなり、自信なさげにプレーするようになった。
そんな息子さんをそばで見ていると、お母さんはもしかしたら歯がゆい気持ちになるかもしれません。
よって「ディフェンスもガツガツ行かない。シュート出来る場面でもパスをします。自分がミスするしたりいいパスが出来ないとごめん!と謝ったり」と息子さんを評価してしまうのです。
ありのままを伝えただけで評価しているつもりはないかもしれません。が、目に見える事象だけを追ってしまう気配は、息子さんに伝わるのではないでしょうか。私たち大人でさえ、自信を失っているときは余計に周りの目が気になります。息子さんも同様でしょう。
したがって、ぜひ家ではお母さんからサッカーの話をするのではなく、息子さんがしてきたら聞く。彼の話に耳を傾けることに集中してください。何も話さないのであれば、そっとしておけばいいのです。
■アドバイス②良くない状況のときほど「引き算の子育て」が重要
2つめ。ピンチのときこそ引き算の子育てをしてください。
私もそうでしたが、親御さんたちは「どんな声掛けをすればよいか「子どもに良い影響を与えられるか?」と足し算ばかりを考えがちです。
しかしながら、良くない状況のときほど「引き算の子育て」が重要です。お説教したり、なにか啓発的なビデオを観たり、本を読むことを勧めるといった余計なことをしないほうがいいでしょう。
なるべく心地よく、日々楽しく過ごせるよう考えてあげてください。
つまりは何も言わず見守ってあげることです。苦しんでいるのは、息子さん自身です。自信を持ってプレーすればうまくなるのか、うまくなったから自信を持ってプレーできるのか。それは彼にしかわかりません。もっといえば、自信を持ってほしいと願うことももしかしたら親のエゴかもしれません。
人間ですから、自信をなくすことだってあります。自信をなくしてうなだれているわが子をそばで見守ることは、親にとってつらいかもしれません。
しかし、逆を言えば、そのようなときだからこそ親の出番なのです。何でもうまくいってるときは、子どもも親のほうなど見もしません。顔色などうかがいませんよね?
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■アドバイス③本当の自信を養うためお子さんにはこの一言を伝えよう
3つめ。ご自分の子育てを振り返って、結果ばかり気にした瞬間はなかったか思い出してみてください。
スタメンであろうがなかろうが、君のことが大好きだよとぜひ伝えましょう。本当の自信は、安心安全な環境でこそ養われます。
今こそお母さんの胆力が試されるときです。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。新著は「ファジアーノ岡山「地熱」の奇跡 親会社なき市民クラブがどうやってJ1昇格を遂げたか 」(竹書房)
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