わが子の言い分を鵜呑みにして謝らない、他の子たちとトラブルを起こす困った親子をどうしたら良いのか問題

サカイク
我が子の言い分を鵜呑みにして絶対に謝らないどころか、周りに色々吹聴してもめ事を大きくする困った親子。その子がみんなと上手くやれるようにと悩んでいた子に暴言を吐き、学校もサッカーも休む事態に追い込んだ。

仲がよく、いいチームだっただけにそんな理由で欠けてほしくない。とご相談をいただきました。

サッカーだけでなく他のスポーツや学校現場でも最近耳にする悩みに、スポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんがアドバイスを送ります。
(構成・文:島沢優子)

わが子の言い分を鵜呑みにして謝らない、他の子たちとトラブルを起こす困った親子をどうしたら良いのか問題
(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

<サッカーパパからのご相談>

U-10世代の父親です。我が子ではなく同チーム内での親同士の相談です。カテゴリー違いでしたら申し訳ありません。


人数不足に悩む我が少年団の中で唯一10名を超える世代ですが、対応に困る親子がいるので投稿いたしました。

全12名いる四年生の内10名が同じ小学校です。その10名の内半数以上が学校昼休みにサッカーをしていた際に部員2名(A、Bとします)で揉め事が起きてしまいました。

元々Aは他の部員とも喧嘩が多く、今回もAがBに対し暴言を吐いたのが発端です。暴言を吐いた事は仲裁に入ったCやその他の部員も聞いていますが、Aは「暴言は吐いていない。みんなが自分をいじめてくる」「自分は何もしていないのにCが皆に自分がやったと嘘を広められた」と嘘をついてる状態です。

※CはAがみんなと上手くやるにはどうしたらいいかと他部員に相談していたみたいです。他の部員からも証言あり

そうしたら今度はAがCに対し「お前のせいで友達ができなくなる。
全員に撤回するまで許さない」といった事を伝えたみたいで、Cはショックで学校、サッカーともに休んでいます。

またAの親がこのトラブルを少年団の親の半数以上に長時間の電話で報告、挙げ句の果てにはコーチにも伝えています。が、このAの親も各方面に対し少しずつウソをついています(多すぎて詳細把握できず)「自分の息子は言ってないと言ってるから悪く無い」と事実確認もせず鵜呑みにしている状況です。

最初に暴言を吐かれたBの親が「周りの子達全員Aが暴言吐いたって言ってる」と伝えても、「息子はやっていないの」一点張りです。前置きが長くなり申し訳ありませんが、このような親子に対して他の保護者としてどのような対応をすべきなのでしょうか?

元々小学校で起きた事をチームに持ち込まれても...というのは個人的にあるのですが。思った以上に大事になってしまい部員が辞める辞めないの話に発展しています。

せっかく仲も良い、実力もそれなりにある子たちなのでこんな理由で欠けてほしくないのですが......。

まとまりにかけ長文で申し訳ありません。
教育方面でも長く取材されているとのことなので、何かヒントがあればよろしくお願いします。

<島沢さんからの回答>

ご相談ありがとうございます。

息子さんが所属するサッカーチームで子ども同士のもめごとがあり、それが親同士の対立につながっているようです。ご自身の息子さんはそこに何ら関与していないのに、こんなにもこころを痛めている。やさしいお父さんであることが伝わってきます。

メールに「せっかく仲も良い、実力もそれなりにある子たちなのでこんな理由で欠けてほしくない」と率直に書かれていることも好感を持ちました。

■解決への糸口


最初に解決への糸口をお伝えします。

サッカーのピッチ上やその前後は、コーチと選手だけの時間であり、空間です。
今回は学校で起きた出来事ですが、子どもたちは同じサッカーチームという集団に所属しています。

しかも、暴言を吐いたほうでも、吐かれたほうでもないC君はこのことが原因でサッカーの練習を休んでいます。つまり、少なからずサッカーチームとして、このトラブルの影響を受けています。

したがって、ここはお父さんおひとりで何とかしようとせず、今息子さんの(学年の)チームで何が起きているかを、担当コーチに伝えたほうがよいでしょう。

しかも今回は、チームメイト同士の暴言があります。そこに対し、コーチはこのことを知る権利があります。なぜならば小学生であっても、フェアプレーを実践すべきアスリートであり、サッカーはチームで助け合うスポーツだからです。

■聞き取った事実を淡々とコーチに伝えて「チームの問題」にしてもらう


まずは、チームで起きたことをお父さんの言葉で「AがBをいじめて、そのうえCが広めたと吹聴した」などと起きたことをご自分の言葉で総括せずに、子どもたちから聞き取った事実を淡々と伝えましょう。
そのなかで、以下のようにお願いしてはいかがでしょうか。

「暴言が吐かれた場所は学校ですが、かかわっている子どもは全員チームの子どもなので、個々のサッカー活動やチームワークに影響が出ています。フェアプレーを教えるよい機会だと思うので、練習終わりなどに時間をとって話し合わせてほしい」とお願いしてはいかがでしょうか。

コーチたちには「誰が誰にどんな暴言を言ったのか?」といったことをヒアリングしてもらう必要はないと伝えてください。

最も重要なポイントは2つ。

このことをあくまで「チーム全体の話」にしてもらうこと。

サッカーも学校も休んでいるというC君をどうしたら、元通りの生活に戻れるかを子どもたちに話しあってもらい、その場にコーチにいてもらうことです。

■あなたが直接手を下さないこと。Aの親御さんを説得しようとしない方が得策


と、ここまでお読みになって、お父さんは、あれれ?「同チーム内での親同士の相談です」と書いたんだけど、と思っているかもしれません。


暴言を吐いたとされるAの親が嘘をついている。
最初に暴言を吐かれたBの親が「周りの子達全員、Aが暴言吐いたって言ってる」と応酬している。

そのように親同士の対立が書かれています。

しかし、お父さんが変えたいのはAの親ではなく、子どもたちの関係性であり、チームの空気ですよね?であれば、大人よりも、子どもたちを成長させるほうにエネルギーを注ぎましょう。

それはお父さんが直接手を下すのではなく、上述したようにコーチに任せるのが一番です。もっといえば、保護者はもう大人なので、性格や考え方や価値観はなかなか変えられません。Aの親御さんを説得しようとは考えないほうが得策です。

■子どもはいつの時代も種類の違うストレスを抱えがち、暴言やいじめの背景も気にしてみてほしい


次に、子どもの世界についてひとこと言わせてください。


暴言を吐いたとされるA君に少し注目してみましょう。

彼の家庭環境はどんなものなのでしょうか。経済的に豊かでも、子どもの心がさびしい場合もあります。ストレスをためた子どもは、身近にいる弱い立場の人に対してそれを発散するのはよくあることです。

暴言を吐いたり、いじめたりする子どもについては、その子が背負っているものをよくみてあげなくてはいけません。子どもはいつの時代も、それぞれが種類の違うストレスを抱えがちです。サッカーでも勉強でも、親や周囲の期待に押しつぶされそうな子。家庭が複雑で、生きづらい子。兄弟姉妹と比べられて苦しい子などさまざまです。

サッカーを楽しくやることでストレス発散になればよいのですが、そのサッカー自体がストレスのもとになっているケースも多々あります。

そんな子どもたちに大人ができるのは、とことん彼らの気持ちに寄り添うことです。それをコーチの方がやってくれることを期待しつつ、コーチには「親ができることは何ですか?」と尋ねてみてください。

例えば、試合でポジティブな応援をする、温かい目で全員を見るなど、いろいろ出てくるかと思います。

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■邪魔なら追い出せばいい、ではない。トラブルは好ましくないけど学びの機会にしてほしい


わが子の言い分を鵜呑みにして謝らない、他の子たちとトラブルを起こす困った親子をどうしたら良いのか問題
(写真は少年サッカーのイメージご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

このことを、ぜひ学びに変えてほしいと私は思います。A君やA君の親をチームから追い出す。B君やC君がサッカーをやめて学校も転校する。そのどれになったとしても、最悪の結末です。

子どもたちに「邪魔な人間は追い出せばいい」といったイメージが刷り込まれかねません。

子ども同士のトラブルは決してよいことではありませんが、子どもたちの育ちにとって大きな学びになるのも確かです。そして、そういった学びも、サッカーをする大きな意味のひとつだと私は考えます。

わが子の言い分を鵜呑みにして謝らない、他の子たちとトラブルを起こす困った親子をどうしたら良いのか問題

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)

ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノートアスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキルビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。新著は「ファジアーノ岡山「地熱」の奇跡 親会社なき市民クラブがどうやってJ1昇格を遂げたか 」(竹書房)

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