2020年 都道府県別・自転車通学時の事故件数ランキングを発表 コロナ禍で事故件数は前年比大幅減。 一方で事故増加した都道府県も。
公益財団法人自転車駐車場整備センター自転車総合研究所 所長
東京大学法学部卒業。建設省、東京工業大学助教授、財団法人民間都市開発推進機構都市研究センター、財団法人土地総合研究所、株式会社三井住友トラスト基礎研究所等を経て2018年から現職。自転車施策の第一人者として講演会の他、NPO法人自転車政策・計画推進機構を主宰。国や公共団体の委員としても活躍中。博士(工学)。
【調査の詳細】
(1) 2020年都道府県別自転車事故件数ランキング
●全国の通学時の事故件数はコロナ禍で前年比2割減!
●中学生の1万人当たりの事故件数ワースト1位「香川県」2位「群馬県」3位「徳島県」
●高校生の1万人当たりの事故件数ワースト1位「群馬県」2位「静岡県」3位「宮崎県」
2020年は新型コロナウイルスの拡大により、私たちの生活が大きく変わった年でした。外出制限や密を避けた行動が推奨されたことで、自転車利用にも影響があったと思われます。ある調査では自転車利用者の約3割が、新型コロナウイルスの影響によって自転車に乗る機会が増えたと回答しています。
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2020年の自転車事故全体は、前年(2019年)に比べて15.9%減少しています。しかし、交通事故全体における自転車事故割合は微増(0.8%)となっています。過去11年のデータを見ても2016年を境にして自転車事故割合は少しずつ増加傾向が見られるため、自転車の安全啓発は重要性を増している喫緊の課題であると言えるでしょう。※コロナ禍における自転車利用の変化に関するアンケート調査(SBI 日本少額短期保険株式会社)より
自転車事故・交通事故の推移
自転車事故・交通事故の推移(数値データ)
続いて、中高生の通学時の自転車事故について全国計の1万人当たりの自転車事故の推移を見ると、2020年は前年(2019年)に比べ中学生19.8%減・高校生19.5%減と、ともに2割程度減少しました。
2020年に関してはコロナ禍による登校日数の減少から事故件数が減ったと考えられますが、2014年からの経年データを見ても2017年を除いて全体として右肩下がりの傾向で、少しずつ改善の傾向が見られます。
通学時の自転車事故件数の変化(全国1万人あたり)
一方で、都道府県別データでは、約2割の都道府県で前年より1万人当たりの事故件数が増加しています。
ランキングにすると、中学生のワースト3は1位香川県、2位群馬県、3位徳島県でした。