工学院大学「Birdman Project Wendy」結成20周年、鳥人間コンテスト2021出場
工学院大学(学長:伊藤慎一郎、所在地:東京都新宿区/八王子市)の学生プロジェクトBirdman Project Wendy(B.P.Wendy)は今年、活動20周年を迎えました。記念すべき年に彼らが製作した人力飛行機「かささぎII」には、七夕伝説に現れるカササギのように、コロナ禍を乗り越えて過去の経験と次世代をつなぎたいという願いが込められています。
鳥人間コンテスト2021で定常飛行に成功した「かささぎII」
B.P.Wendyは約3年間かけて、「かささぎII」を完成させました。多くの大会経験者が卒業し、コロナ禍で大学から活動制限が課される中でも、確実に飛ぶ機体を完成させるため、設計から製作行程まで“シンプルであること”を追求しました。
特に注力したのは、揚力を発生させる主翼の精度向上です。プロジェクトの顧問であり、流体力学を専門とする水野明哲 名誉教授にアドバイスをもらいながら、再現性の高い主翼を設計しました。複雑化せず翼型(断面の形状)を1種類のみにし、構成する部品の点数も2017年大会に比べて約10%削減しました。設計図完成後は、学内にある「ものづくり支援センター ふらっと」の加工機械などを利用して、一つ一つの部品を学生が加工しました。
シンプルな作りである分、図面から数ミリのずれもない翼に仕上がり、高い精度が空気抵抗の削減につながりました。
今夏に開催された「鳥人間コンテスト2021」で、全長27.6mの長い主翼が左右対称に風を受けて安定した飛行を実現しました。チームとしては約10年ぶりに、人力プロペラ機部門で418.90mの定常飛行に成功しました。水平尾翼の改善や電装機器の充実、機体の軽量化など今回見つかった課題を次の機体に活かし、これからも鳥人間コンテスト出場に向けてチャレンジを続けます。
主翼断面図
■B.P.Wendy代表 カピー アレクスィーさん(建築学部3年)コメント
機体製作を通して、チームの最大の特徴が根気強さであることを実感しました。コロナ禍で活動制限がある中でも、メンバーが一分一秒を惜しまず図面に限りなく近い機体を仕上げたことが、定常飛行につながったと感じています。チーム結成20周年を迎える今年、先輩たちの経験と技術を受け継ぎ、大きな一歩を踏み出せたことをうれしく思います。今回のフライトで見つけた課題に向き合い、次のコンテストではチーム記録更新を目指します。