明治大学政治経済学部の西村弥ゼミナール(行政学)が、埼玉県川島町(町長:飯島和夫)と2年にわたって共同で研究を進めてきた成果を盛り込んだ「第6次川島町総合振興計画」が策定されました。
■ 自治体の最上位計画を自分たちの手で
「総合振興計画」とは10年間のまちづくりの方針となる自治体の最上位計画です。しかし川島町では、同計画の策定をこれまで外部コンサルタントに依頼しており、職員自身が計画の作成経過を十分に把握していないといった課題がありました。
こうした現状に危機感を抱いた川島町は、新しい総合振興計画を職員自身の手で立案することを決定しました。さらに、役場目線の内容だけでなく、若者の意見やニーズを積極的に取り入れるため、西村ゼミナールの学生たちに協力の依頼が寄せられました。学生たちは2020年度と2021年度の2年間にわたり、同町の総合振興計画を外部コンサルタントに依頼せず策定するためのお手伝いを、調査協力や政策策定への参画というかたちで実施してきました。
■ オンラインによる川島町役場・多治見市役所へのインタビュー調査
活動を始めた初年度のスタートと新型コロナウイルスの感染拡大がほぼ同じタイミングとなり、活動計画は何度も大幅な変更を余儀なくされました。しかし明治大学のオンライン授業の環境整備が徐々に進み、川島町でも2020年6月、自治体としていちはやくZoomに対応できる体制を導入したことにより、ゼミ生たちと役場をつないで2か月間で7回にわたるオンライン・インタビュー調査を実施することができました。また、2021年度は事例調査の一環として、岐阜県の多治見市役所にもオンライン・インタビュー調査に協力をいただいています。こうした調査の結果、若者目線というだけでなく、行政の実態に即したかたちで提言を届けることができるようになりました。
■ 西村ゼミナールの提言
こうした活動の成果として、2020年度は、学生たち若者からみた2040年の川島町のあるべき姿を設定し、その実現のために必要な政策をとりまとめ報告しました。ここでの提案が、2021年度に策定した新しい総合振興計画にも反映されています。
2021年度は、総合振興計画策定後に焦点をあて、総合振興計画を職員一人一人に浸透させながら、着実に実施していくための「進行管理」について事例分析と検討を進め、川島町にとって最適な進行管理の在り方について提言しました。