子育て情報『全国的に暑くなることが予測されている夏に向けて「異常気象と気候変動の関係と子どもの健康問題」についてセミナーを開催』

全国的に暑くなることが予測されている夏に向けて「異常気象と気候変動の関係と子どもの健康問題」についてセミナーを開催

など、子どもへの健康被害はすでに起きている。間接的には気候変動によるPM2.5の影響で「発達障害」へのリスクも考えられる。
8. さらに温暖化が進行したら我々の生活がどうなるのか、目の前の異常気象を通して想像することが重要。

《目の前で起こった異常気象に対して地球温暖化の影響をエビデンスで示す》
まず、東京大学 大気海洋研究所 気候システム研究系に所属し、大気モデルや大気海洋モデルを用いて数年から数十年規模の気候変動のメカニズムなどを専門に研究する今田 由紀子先生が、異常気象と気候変動の関係を定量化する「イベント・アトリビューション」について解説を行いました。

■東京大学 大気海洋研究所 准教授 今田 由紀子「異常気象と気候変動の関係」

全国的に暑くなることが予測されている夏に向けて「異常気象と気候変動の関係と子どもの健康問題」についてセミナーを開催

東京大学 大気海洋研究所 気候システム研究系 今田 由紀子 准教授

・そもそも異常気象とは何か。気候変動との関係性の証明が難しい理由
気象庁の定義では「異常気象:ある場所(地域)・ある時期(週・月・季節)において30年に1回以下程度で発生する現象」とあります。
30年に1回程度なので、みなさんご存知の通り、地球温暖化が進行しているからといって毎年徐々に徐々に気温が上がっていくわけではありません。
年ごとに暑い夏もあれば涼しい夏もあって、気候というのは気温の上昇と下降を繰り返しながら少しずつ平均的に上がってきます。
これが地球温暖化というわけです。

・一つの気象現象に対して、温暖化がどれくらい影響しているかを証明するには
異常気象は偶発的な大気の「揺らぎ」が重ならないと起こらないので、それに対して地球温暖化がどのくらい発生確率を底上げしているのか、しかも長い時系列で見た場合ではなくて、1つのイベント(現象・事象)だけを見た時にどれくらい影響しているのかという証明は非常に難しいです。
そこで私たちは最近、気候モデルを使って1つの目の前で起こったイベントに対する温暖化の影響をいかに定量化するかという新しい手法を開発しました。開発するにあたって参考にしたのが、疫学の考え方です。
1番わかりやすいのが、タバコとガンの発生リスクの関係です。タバコを吸う同じような習慣を持っている人を集め、どれくらいの人がガンになったか、またタバコを吸わない人を集め、どれくらいの人がガンになったかを比較しました。タバコを吸わなくてもガンになる方はいらっしゃるのですが、実際に何人の方が発症したかを比べると、明らかにタバコを吸っている集団の方が肺ガンになったケースが多かったとなると、やはりタバコを吸っているせいでガンの発生リスクが増えている、ということを証明できます。

新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.