全国的に暑くなることが予測されている夏に向けて「異常気象と気候変動の関係と子どもの健康問題」についてセミナーを開催
全体で見ると私たちは「原因の原因」という点でものすごく気候変動の影響を受けています。
気候変動は「原因の原因」
・気候変動による子どもの健康影響を重要視するべき6つの理由
気候変動による子どもの健康影響を重要視するべき6つの理由
1つ目は、子どもは熱への適用システムが未発達という点です。子どもは大人のように、うまく熱に対応できません。子どもは小さいですが体重あたりで考えると表面積は大きいので熱を取り込みやすく、代謝もいいので動いた時の体重あたりの熱生産量が大きいのに対して、汗腺が未発達なため十分に汗をかけません。
また、失った水分をきちんと補給しようと感じることができなくて、脱水になりやすいということもあります。
2つ目は、子どもは環境の影響を受けやすい時期・感受期にあるということです。臓器の発達、例えば汗腺の発達においても小さい頃に適切な環境に晒されないと適切に発育されないなど、非常に大事な時期と言えます。
気候変動の影響で早産のリスクが高まっていると言えますが、早産で生まれてしまうと適切な感受期に晒されてはいけない外界の影響を受けてしまい、発達障害や呼吸障害、心疾患とか腎障害のリスクが高まります。
さらに、胎児期や乳幼児期に暑い気温に晒された時に生涯に渡る影響をもたらすものの例として汗腺の発達があります。
汗腺が適切に発達しないと熱中症になりやすく、実際にデータを見ても、初夏のような熱くなり始めた時に、熱中症の症状が多いことがわかっています。
逆に言うと、小さい頃から暑いのでずっとクーラーの中でいるとなると、うまく汗をかけない、汗腺が発達しないので熱中症になってしまうということです。実際、データを見てみても、暑くなり始めた時に、こうした熱中症などの症状が多いということがわかっています。
そしてもう1つは、感受期にあるということです。脳は生まれた後もどんどん発達していきますが、神経と神経が結合するという大事なときに、農薬や大気汚染のPM2.5などの物質が入ってきてしまうと良くないであろうということです。
3つ目は、体重あたりの暴露量が多いということです。子どもの体重あたりの空気や水分、食事の摂取量は、量自体は少ないのですが、子どもの体重に換算すると多いので、例えば農薬など、取り込んだものによる負荷が結果的にかかっていると言えます。
4つ目は、外での活動が多いということです。