くらし情報『”あなたの感受性を育む”この時季の俳句とは?【11月27日〜12月1日】』

2016年11月26日 15:00

”あなたの感受性を育む”この時季の俳句とは?【11月27日〜12月1日】

この景色を見た夏目漱石は、吹きすさぶ冷たい凩に、苦難の歴史を生きたキリシタンたちの心の叫びを聴いたのかもしれません。

凩と聞くと、私を含め、”寒い”という印象しかない方がほとんどだと思いますが、壮大でドラマティックな見方もできる夏目漱石の感受性の豊かさに感銘を受けます。このように、普段見慣れている景色を違う視点で見ることができたら、感じる思いもまた、より一層深まりますね。

【虎落笛】と上田五千石の俳句
”あなたの感受性を育む”この時季の俳句とは?【11月27日〜12月1日】


冬の烈風が建物などに吹きつけて、笛のような音を立てることを「虎落笛(もがりぶえ)」といいます。冬の季語として使われます。

暗い夜道をひとりで歩いているときに、ヒューヒューと音を立てて吹く虎落笛を聴くと、なんとなく不気味な気がして、思わず早足になりますね。

”もがり”とは本来、貴人を仮葬した「もがりの宮」のことをさすそうです。また、「もがる」(逆らう)という方言からきたという説も。
ちょっぴりこわい響きのある風の呼び名ですが、東京出身の俳人、上田五千石(うえだごせんごく)は面白い俳句を詠んでいますよ。

「もがり笛風の又三郎やぁーい」

この句は、宮沢賢治の短編小説”風の又三郎”の世界をベースに詠まれたものです。

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