意外と知らない? 知らなきゃ損する高齢出産に潜むお金のリスク
いま、1年間に生まれる赤ちゃんのうち、およそ4人に1人が高齢出産によるものだそうです。
35歳以上の出産は、決して珍しくない時代になりました。
それにともなって、流産や早産、染色体異常といった、高齢出産のリスクにも注目が集まっていますが、実はあまり知られていないリスクがまだあるんです。
それが、お金の問題。高齢出産をすると、30代前半までの出産にはなかった問題が家計を直撃することがあるんです!
退職すると、再就職はかなり厳しいかも?産休・育休を取りやすい企業が多くなってきてはいるものの、お勤め先によっては妊娠・出産で仕事を辞めざるを得ないケースも少なくありません。
もし退職した場合、出産後に再就職先を見つけるのは高齢出産ほど厳しくなる恐れがあります。
というのも、そもそも35歳以上での転職自体が簡単ではないから。30代後半の女性の場合、ヘッドハンティングのようなケースを除けば、正社員で採用されるのは極めて稀です。
まして子持ちとなると、就職活動の間に子どもをどうするか?も問題になります。保育園に入れようとしても、親が就職活動中だと優先順位が低く、(地域によって差はあるものの)ほぼ不可能に近いでしょう。
すると、実家に預けるか、ベビーシッターを利用するか、もしあれば一時保育を利用するか、になります。
しかし自分が35歳を超えていると、実家の両親も高齢で、孫を預かる余裕がないという展開も目に見えてきます。ベビーシッターや一時保育などを利用することになる場合、どちらも決して安くはありませんから、家計の心配が必要になってきます。
また、採用面接でも子どもについて突っ込まれることは必至です。
就職後にいきなり、子どもの発熱や病気などで仕事を早退したり、休んだりするのではないか?保育園は決まっているのか?などを聞かれて、「絶対大丈夫です!」と答えられる人はまずいないでしょう。
採用側は、どうしても子持ちであることをマイナスに見てしまうきらいがあります。
再就職できないと、収入は大幅にダウンしてしまいます。
正社員復帰しても収入大幅ダウンかも?産後、お勤め先に戻れる場合でも、油断は禁物です。
子持ちで仕事復帰すると、保育園へのお迎えなどの都合で、基本的には時短勤務になり、基本給がダウンします。もちろん、残業代もでません。さらにいえば、出勤日数も大幅に減ってしまう恐れもあります。
なぜなら、産後しばらくは、体力がかなり衰えているから。
高齢出産は、出産にも医学的なリスクがありますが、それ以上に育児による体力的なダメージが大きいんです。仕事復帰しても子どもが熱を出して会社に行けない、という話は良く聞きますが、実は自分がダウンしてしまうことも多いのです。
筆者も30代で出産しましたが、体力の低下でひんぱんに風邪をひいて高熱にうなされ、母乳をあげている影響で髪が抜けまくり、体はボロボロ……と、かなりダメージを受けました。
まわりをみても、20代ママからはそんな話は聞かないのですが、30代ママは口をそろえて「そうそう!」といいます。産前と同じレベルの仕事をするのは、体力・精神力ともに、よほどタフじゃないときついです。
子どもにお金がかかるときにリタイアかも?運よく仕事復帰できたとしても、残念ながらまだ安心はできません。出産は、お金の面ではまだまだスタートに過ぎないからです。
子どもに、最もお金がかかるのは高校、大学のときです。つまり、出産から15~22年後。
そのとき、あなたは働いているでしょうか?もし37歳で出産したなら、子どもが大学に入学するときは55歳。
大学を卒業するときは60歳目前です。定年には達していないものの、リタイアしている可能性もありますよね?
パートナーの収入はあるかもしれませんが、家計の収入が大幅にダウンするタイミングで、支出が大きくなるのはなかなかきついものです。
また、この時期にまだマイホームの住宅ローンが残っていると、家計はより厳しくなりますし、さらにいえば、自分の老後資金を準備するのも間に合わなくなる恐れもあります。
こうしてみると、高齢出産にはリスクばかり!と思われてしまうかもしれません。確かに、お金に苦労するリスクはあります。でも、その反面、メリットもあります。
高齢出産では、出産前までにキャリアを積んでおいたり、貯蓄も充分に増やしておいたりできます。
そうすると、仕事復帰の体制を整える余裕があったり、裕福な状態で子どもを迎え、育てられるメリットがあるのです。
高齢出産のリスクが気になったら、ぜひ、お金の対策についてもよく考えてみてくださいね。
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