おうちに帰ったらトゲトゲした気持ちをふわっと包んでくれるもの【私をしあわせにしてくれる1000のアイテム】#0042
その幸せはほんの一瞬で、手を洗い終えたらもう次のことを考え出してしまうのですが、それでも毎日必ず感じることができます。
なんだかトゲトゲとしていたり、とにかく疲れていたり。
そんな時に石鹸の香りが自分の中に溶け込んでくると、ハッと我に帰って、ただただ「いい香りだなぁ」とじゃぶじゃぶ手を洗いながら思うのです。
悩んだり、煮詰まったりした時にも、とりあえず手を洗って香りで目を覚まし、仕切り直してみたり。
そんなふうに、気持ちをほぐしてくれるハンドソープの香りが、わたしをしあわせにしてくれるアイテムなのです。
さて、そんなわたしの心を、もっともっとくすぐってきたのが、最近出会ったばかりの手作り石鹸です。
どちらかといえば「買ったほうが早い」と考えがちな私には、石鹸を手作りするなんてビックリ以外のなにものでもありませんでした。
その石鹸には、使用しているエッセンシャルオイルや、色、それから名前にも、作り手のメッセージがたくさん込められていることを知ったのですが、そのエネルギーの強さに感心した私は、ちょうどなくなりかけたハンドソープとチェンジすることにしました。
それが、「コスモス・サボン」の山口さんが作った石鹸です。
山口さんの作る石鹸には、見えないものや触れられない宇宙(コスモス)のようなイメージが込められています。
たとえば「日々の泡」という名前が付けられた石鹸には、毎日いいことも悪いこともあるけれど、1日の終わりにはすべて柔らかな泡と一緒に消えて、からっぽになって眠ろう、というメッセージ。
それから「笑うこと」という名前の石鹸には、見慣れている日常でも、季節がめぐって次に見た時にはやっぱり美しいと微笑むことができる花のような日々である、というメッセージ。
わたしは元々、癒されるために何かをしようとしても、その行為自体が面倒くさくて続かない上に、そんな気持ちがあるせいでまったく癒されていないので、日々の暮らしに向こうから溶け込んでくれる、コスモス・サボンのような存在には優しさを感じてなりません。
せっかく出会えたので、少し欲張って3種類の石鹸を購入しました。
なぜなら、「コスモス・サボン」はお店をかまえていないそうなのです(わたしは、東京・上野のお花見がてら、たまたま訪れたマルシェで出会いました)。
もっともっと知りたいのに、そう簡単には手に入らないというところも、わたしの天邪鬼な性格にピッタリ。
触れられそうで、触れられない時もある。そんな特別な存在になっています。
取材協力・写真提供:コスモス・サボン
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