安眠のサポートとなるマグネシウムを効率的に増やすコツ
マグネシウムは、人体に必要なミネラルの一種で、リンやカルシウムとともに骨や歯の形成に関わるほか、脳・神経に存在し、神経情報の伝達にも役立っています。また、セロトニンから睡眠に大切な「メラトニン」を合成するときにも、マグネシウムは欠かせません。
マグネシウムの推奨量は、成人男性で340mg、成人女性では270mgです。この目標に対し、平成29年度の国民栄養調査の結果では、男女平均の摂取量は248mgとなっており、女性は約40mg、男性は約80mg不足しています。
マグネシウムは、米ぬかや胚芽の部分に含まれていますが、精製されたお米を食べる生活では、なかなか目標値には達しません。そこで、マグネシウムを効率よく補うコツをご紹介します。
マグネシウム摂取量を増やすコツ4つ
マグネシウムは、海藻類・大豆製品・ごま・ナッツ類・バナナなどに多く含まれています。マグネシウムはカルシウムと深く関わっており、バランスよく摂取することが大切です。
食事から摂るカルシウムとマグネシウムの比率は、カルシウム:マグネシウム=2:1が理想的です。
1.ヨーグルトにバナナときな粉をトッピング
カルシウムの摂取によく利用される乳製品にはマグネシウムがあまり含まれていないので、それだけではカルシウムとマグネシウムのバランスがとれません。マグネシウムが豊富なバナナときな粉をかけて食べることで、カルシウムとマグネシウムをバランスよく摂取できます。
- バナナ1本⇒+29mg
- きな粉大さじ1杯⇒+18mg
納豆や豆腐などの大豆製品には、カルシウムも含まれています。とくに油揚げは、カルシウムとマグネシウムがバランスよく含まれています。毎日色々な大豆製品から、マグネシウムを補いましょう。
- 油揚げ1/2枚(10g) ⇒+15mg
- 木綿豆腐1/3丁(100g) ⇒+130mg
- 絹ごし豆腐1/3丁(100g)⇒+55mg
- 納豆1パック(40g) ⇒+56mg
海藻類の中で、特にマグネシウム豊富な食材は、あおさです。酢の物やサラダにプラスするのもおすすめですが、味噌汁やスープに加えると、毎日手軽に摂ることができます。
- 乾燥あおさ1g⇒+32mg
ごまは、そのままでは消化されにくいため、すりごまか切りごまにすると、マグネシウムを効率良く摂ることができます。
- すりごま大さじ1杯⇒+32mg
マグネシウムの吸収率は、他の栄養素によっても左右されます。カルシウムやリンは過剰に摂取することで、マグネシウムの吸収を阻害します。また、アルコールの過剰摂取は、マグネシウムの尿への排出量を増やしてしまいます。
マグネシウムを含む食材を意識して取り入れるとともに、バランスの取れた食事を心がけましょう。
【参考】
(※1)eヘルスネットマグネシウム
〈https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-034.html〉(最終閲覧日2017/01/17)
(※2)厚生労働省平成29年国民健康・栄養調査結果の概要〈https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/000351576.pdf〉(最終閲覧日2018/10/22)
衞藤敬子管理栄養士コントラクトフードサービス大手(株)グリーンハウスに入社、社員食堂のメニュー提案や栄養指導業務を経て、2009年「あすけん」に参加。アドバイス作成やサービス開発に携わる傍ら、年間150件以上の栄養指導やプロアスリート選手の食事サポート、セミナーなどを実施。現在はフリーランスに転向し、幅広く活躍。