「しつけは母の仕事」「考えすぎ」周囲の言葉を回想し、マイナス思考になる夜<支援級に移籍するまで>
もっつんさんの長男・タクくんが小学校に入学後、支援クラス(特別支援学級)を勧められて移籍するまでのお話です。入学式当日、なぜか補助の先生に付き添われながら入場してきたタクくん。何も聞かされていなかったもっつんさんは動揺したものの、入学式後は教科書や書類の配布などで慌ただしく、補助の先生がついてくれていた理由を聞くことができませんでした。そして入学からしばらく経ったころ、担任の先生から、学校でのタクくんの様子について、「教室から脱走する」「昼休みのあと帰ってこない」「移動教室で迷子になる」など衝撃の事実を知らされます。実はもっつんさんは、タクくんが年長に上がるタイミングで再婚し、見知らぬ土地で義両親と同居中。夫にもなかなか本音を言い出せず、疲労とストレスはたまる一方でした。
そんな中、もっつんさんが仕事後に学童へタクくんを迎えに行くと、先生に「ちょっとお話いいかな?」と呼び出さました。どうやら学童でも友だちともめたり、勝手に部屋から出たりしているとのこと。
タクくんの発達について不安を抱えていたもっつんさん。学童のベテラン先生に、これまでのタクくんの生い立ちや、発達について悩んでいることををすべて聞いてもらい、改めて「タクのことに、もっと向き合おう」と決意を新たにしたのでした。
その夜、なかなか眠れないもっつんさんは、タクくんと夫の幸せそうな寝顔を見て……。
何をどうすれば最善だったのか
※訂正:(誤)検診→(正)健診
眠れない夜、
「もしかして、保育園でも脱走していたのかな」
「今まで、タクの人生を振り回してしまった……」
など、ひとりで考え込むもっつんさん。
これまでに周囲から言われた「しつけは母親の仕事」「考えすぎですよ」など、数々の言葉を思い出しマイナス思考になってしまいます。
このころ、仕事で帰宅が遅い夫とは、なかなかゆっくり話をすることができていなかったそう。
もっとタクくんに父親らしく接してほしいと願うもっつんさんは、少し夫に頼ろうと思い始めたのでした。
これまでにも、児童センターの先生や市役所の相談員、幼稚園の先生に発達相談をしたり、母親交流サークルに積極的に参加してママ友をつくったりと、タクくんにとっても少しでもプラスになるようにと努力してきたもっつんさん。
しかし、家庭の事情による引っ越しをするたびに、積み上げてきたものがリセットされてしまうことに苦しんでいました。
新しい土地でイチから周囲の人々と関係を構築して、頼れる先をつくることは想像以上に大変なことですが、ひとりで抱え込んで限界を迎えてしまう前に、学童の先生のように相談できる人や環境を少しでも多く見つけることが大切ですね。
監修/助産師 松田玲子
著者:マンガ家・イラストレーター もっつん