「お姉ちゃん、いいなぁ」障害を持つ妹が、出産した私につぶやいた言葉の真意に涙<妹の話>
きょうだい児として育ったはちみつこさん。きょうだい児とは、障害や病気などを兄弟姉妹に持つ子どものこと。はちみつこさんにはふみちゃんという妹がいるのですが、子どものころから少し「あれ?」と感じることが多くありました。そんな矢先、「就職したはずの妹が解雇になった」と母親から電話を受けたはちみつこさん。結局ふみちゃんははちみつこさんが住むB市に引っ越すことが決まったものの、家賃はすべて母親持ち。自分とあまりにも違う扱いを不公平に感じ、はちみつこさんはふみちゃんへのイライラを抑えられません。
はちみつこさんがふみちゃんにイラ立ちを募らせていたのは、当時の仕事上での待遇にも原因があったようで……?
そして3年後。妹との関係は…
しばらくの間ふみちゃんと距離をおいていたはちみつこさん。
そんな2人の関係を変えるきっかけとなったのは、はちみつこさんの出産でした。
母親から、ふみちゃんははちみつこさんにずっと憧れていること、女性としての幸せを望めない可能性があることなどを聞いたのです。
親になったからこそ、母親のふみちゃんへの気持ちを理解できるようになったはちみつこさん。今ではピンチのときに助けてもらうなど、ふみちゃんを頼りにしています。まだふみちゃんを心配に思うこともあるはちみつこさんですが、限りある人生の中で、家族と暮らす「今」という時間を大切にしたいと思っているのでした。
はちみつこさんが感じたように、「親になって初めてわかった」という経験をしたことがある方は多いでしょう。
たしかに、マイペースなふみちゃんとしっかりもののはちみつこさんに対し、母親の対応は平等ではなかったかもしれません。
ですが、母親はどちらの子のこともしっかりと愛していたはず。
人のきょうだい関係を羨ましく感じることもあるかもしれませんが、家族の存在は何にも代えがたいものです。
自分の家族だからこそ築ける、かけがえのない関係を大切にしていきたいですね。
著者:マンガ家・イラストレーター はちみつこ