「放置すればいいのに…なんで私は…」自分に冷たかった夫に、つい私がやさしくしてしまうワケ…
みさきさんは夫と5歳の娘の3人家族。ある日、みさきさんは体調を崩してしまいます。夫は週末だったこともあり、翌朝は遅くまで寝て娘のお世話はみさきさん任せ。さらにみさきさんが頼んだ食べ物も「高かったから」と言って見切り品のバナナを買って来ます。挙句の果てにはみさきさんの熱が39度を超えて病院に行こうとすると、「自分が感染症で会社を休むとボーナスカットになるけどそれでもいいのか」と半ば脅してくる始末。結局みさきさんは病院を断念。夫にやさしさを感じることはなく、虚しさを募らせました。
数カ月後、みさきさんは回復していますが、今度は夫が熱を出しました。
「やばいな~感染症かもしれないわ…」「しんどい」「熱が上がってきた」などと言ってみさきさんに心配してほしい様子。自分が体調を崩した時には看病してもらえなかったみさきさんは、夫にやさしくする気になれません。
夫のことは完全放置にして、言われたことだけやるようにしよう、そう思ったみさきさんなのですが……。
私ばっかり…
自分が放置されたように夫のことも放置しようと心に決めたものの、つい、やさしい言葉をかけてしまうみさきさん。
みさきさんは「妻」「母親」になったがために、自然にやってしまっている自分に気が付きます。損した気持ちになってしまうけれど、自分が家を支えていると誇りに思うことに。
突然、夫が出かける支度をして「今から病院行ってくるわ」と言いました。すでに病院にも問い合わせて、「車で待っていればいい」と言われたと言う夫。
自分が体調を崩したときは病院へ行くのを止められ、車を出してもらえなかったみさきさんは、モヤモヤした気持ちでいっぱいになるのでした。
◇◇◇
自分が体調を崩した時に看病してくれなかった夫のことは、自分も放置しようと思ったものの、結局やさしく声をかけたみさきさん。自分がつらかったからこそ、やさしいみさきさんは夫が心配になったのでしょう。
同時に「妻」や「母親」になったがために、自然に手や体が動いてしまっている自分に気が付いたようです。日ごろからみさきさんが担う家事や育児の役割が大きいのかもしれませんね。
父親の家事・育児の参加事情に詳しい小崎恭弘先生によると、だんだん変わってはきているものの、まだまだ日本では家事や育児は女性に偏りがちで、「家のことは妻の仕事」と旦那さんが認識していることも多いようです。
けれどもママだって体調不良のときは家事や育児をお休みしたり、看病してもらったりしたいもの。日ごろから旦那さんと家事や育児を分担して、ママが体調を崩しても家の中のことを旦那さんに任せられるようにしたいですね。
小崎先生曰く、夫婦生活は長く続くものなので、「何を言っても伝わらない」と考えるのではなく、旦那さんに対して察してほしい、わかってほしいと思っていることをママから具体的に伝える機会を作ることが大切なのだそうです。
みさきさんと旦那さんも、根気がいるかもしれませんが、話し合いを通して旦那さんにみさきさんの気持ちを理解してもらえるようになっていくことを願うばかりです。
著者:マンガ家・イラストレーター ゆりゆ