工藤静香 渾身のブッダの絵を披露「何ができるか考え、ひとつずつやっていきたい」
(Photo:cinemacafe.net)
片岡さんは、日本画で正式な形式の仏画としてブッダを描き上げたが、手塚治虫の漫画を読むことから始めて様々な資料を3か月にわたって読み込んだ上で絵を完成させたという。自身の美術館を福島に持つ片岡さんは、悲痛な表情で今回の大震災の悲しみ、「いま、ブッダを描くということが偶然ではなくミッションに思える。被災された方々の行動を見た世界中のメディアがメッセージを発しているのを見て、仏心(ぶっしん)が日本人の心にはあるんだと感じました」と被災者への思いを語り、「この世はひとつに繋がっている」というブッダの教えに触れ「みんなで命を守って頑張っていきたい」と訴えた。
工藤さんも片岡さんと同じように「偶然ではないと感じました」と明かし、「何ができるかと考え、一つ一つ、被災された方の力になれるようにやっていきたい」と改めて被災者を支援する決意を述べた。工藤さんが描いたのは片岡さん、八代さんと比べてかなり大きなサイズの色鮮やかな油絵。瞑想するブッダが雨に濡れないように、ヘビが傘の代わりになったというエピソードに着想を得たとのことで「天地を表現したくて、ヘビ(地)とワシを入れ、命、魂を表す泡を描きました」と説明。今後、展示が終わったのちは「被災地に寄付できれば」というプランも明かしてくれた。
八代さんは、「八代亜紀が描くブッダ」として、これから修行に入るブッダの姿を描いた。八代さん曰く「無償の愛を与える、母であり父であり、幼い子供であるブッダを描きました」。「大変な時期ですが、歌と絵で愛を伝えたい」と決意を語った。
もうひとり、この展示のためにブッダの絵を描いた石坂浩二は、この日は欠席となったが、会見に際してメッセージを寄せた。ブッダの絵を描くことになったきっかけや過程を説明し、大震災にも触れ「多くの亡くなられた方々や、被災され、なにもかも失われ避難する多くの、余りに多くの方々、あの日から数日、何もまったくできない自分を省みて、無力感におそわれ、唯々呆然としておりました。そんな中でやっと描き上げた、この絵は私の祈りです。どうか、この大災害に遭われた方々の心にも、光とわずかにでも希みが生まれます様に心より祈っています」と思いを託した。
4人が描いたブッダの絵はそれぞれポストカードとして展示会で販売され、収益は震災の義援金として寄付されることも併せて発表された。
「鎮魂と慈悲ブッダの素顔展―手塚治虫と四大巨星(スター)―」は3月31日(木)より4月17日(日)まで、東京タワー・フットタウン3階タワーギャラリーにて開催。その後、4月23日(土)より京都の東映太秦映画村でも展示される。
『手塚治虫のブッダ―赤い砂漠よ!美しく―』は5月28日(土)より全国にて公開。
■関連作品:
手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく 2011年5月28日より全国にて公開
© 2011「手塚治虫のブッダ」製作委員会
■関連記事:
堺雅人が声優で参加!『手塚治虫のブッダ』試写会に10組20名様ご招待
『手塚治虫のブッダ』漫画無料配信、主題歌担当のX JAPAN全米デビュー決定!
X JAPANアニメ版『ブッダ』の主題歌で壮大な手塚ワールドを表現!
手塚治虫の「ブッダ」初の映画化!声優陣に吉永小百合、堺雅人ら