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日本人監督史上初、レッド・シー国際映画祭にて最高賞受賞 藤元明緒監督作『LOST LAND/ロストランド』

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日本人監督史上初、レッド・シー国際映画祭にて最高賞受賞 藤元明緒監督作『LOST LAND/ロストランド』


第5回紅海(レッド・シー)国際映画祭メイン・コンペティション部門にて、藤元明緒監督作『LOST LAND/ロストランド』が最高賞であるゴールデン・ユスル最優秀長編映画賞を受賞したことがわかった。日本人監督の同賞受賞は初となる。

本作はロヒンギャ難民の証言を基に、ロヒンギャの幼い姉弟を描いた作品である。ロヒンギャ語のみで撮影された史上初の長編映画として、総勢200名を超えるロヒンギャたちが出演している。

サウジアラビアで開催された同映画祭での上映は、中東・東アフリカ地域でのプレミア上映となり、上映作品で唯一ソールドアウトを記録。サウジアラビアには30万人以上のロヒンギャが暮らし、世界でも有数のコミュニティを築いており、彼らがこぞって上映に足を運んだのだ。映画のエンドロールではスタンディング・オベーションが巻き起こり、その光景に司会者や通訳も涙した。

審査委員長のショーン・ベイカー監督は本作の授与にあたり「避難を余儀なくされた子どもたちの苦境を、ためらうことのない共感と詩的な切迫感をもって描いています」とコメントした。


また、ショーン・ベイカー監督から賞を受け取った藤元監督は「サウジアラビアには多くのロヒンギャの人々が暮らしています。ここにも大きなコミュニティがあり、この賞は成長しつつあるそのコミュニティを励ますものになるでしょう。その意味でも、この賞は私たちにとって非常に意義深いものです」と話した。

さらに本作のロヒンギャ側共同プロデューサーであるスジャウディン・カリムディンは、本作がロヒンギャ語のみで撮影された史上初の長編映画であることにも言及。「この映画は、ロヒンギャの言語をまもるための作品でもあります。私たちを迫害する者たちは、私たちの名前だけでなく、私たちに関わるすべてを消し去ろうとしています。この映画は、私たちの文化や歌、語りの伝統、そして言語そのものの美しさを保存するための第一歩です。だからこそ、この最初の試みは私たちに、さらに前へ進む勇気を与えてくれました。
この賞とこの映画が、若い世代のロヒンギャの人々を勇気づけ、自分たちの言語で映画を作り、物語を世界に伝えていくきっかけになることを願っています」と語った。

本作はこれまでに第82回ヴェネチア国際映画祭のオリゾンティ部門で審査員特別賞を受賞後、仏・アミアン映画祭にて学生審査、仏・ウォーオンスクリーン映画祭にて観客賞、伊・ピアネータ・マーレ映画祭にて最優秀作品賞、環太平洋の国と地域の映画でその年世界で受賞した映画が集うアジア太平洋映画賞(APSA)では、全てのカテゴリーのノミネート作品を候補とした唯一の賞・審査員グランプリを受賞するなど、獲得した賞は10に登り、様々な国と地域、そして観客の層に評価を得ている。『LOST LAND/ロストランド』は2026年4月、ヒューマントラストシネマ有楽町、kino cinema新宿、ポレポレ東中野ほかにて公開。

(シネマカフェ編集部)

■関連作品:
LOST LAND/ロストランド 2026年4⽉ヒューマントラストシネマ有楽町、kino cinéma新宿、ポレポレ東中野ほか全国にて公開
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