1月4日スタート「豊臣兄弟!」仲野太賀、『桐島』のリベロが“天下一の補佐役”で大河主演を掴むまで
1月4日より放送開始される大河ドラマ「豊臣兄弟!」。主演をつとめるのは、連続テレビ小説「虎に翼」の寅子の夫・佐田優三役でも愛された仲野太賀だ。
これまで「風林火山」「天地人」「江~姫たちの戦国~」「八重の桜」「いだてん~東京オリムピック噺~」と、10代のころから5作の大河ドラマに出演してきたが、満を持して主演を飾る。
演じるのは、池松壮亮演じる天下人・豊臣秀吉を支えた弟・豊臣秀長。歴史にif(もしも)はないものの、「秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」とまでいわしめた天下一の補佐役だ。
舞台は戦国のど真ん中、脚本は大ヒット中の映画『爆弾』(山浦雅大と共同脚本)や、「半沢直樹」「下町ロケット」、連続テレビ小説「おちょやん」などを手がけてきた八津弘幸とあって多くのドラマファン、映画ファンが注目している。
「ウォーターボーイズ」に出演していた山田孝之に憧れ、2006年に俳優デビュー。その後、山田とは『50回目のファーストキス』『十一人の賊軍』などで共演を果たしてきた仲野。
大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」(2011)では秀吉の側室・淀(宮沢りえ)の息子・豊臣秀頼として、その最期まで熱演した。
『桐島、部活やめるってよ』(2012)のバレー部員・小泉風助役はファン層を広げた1作。アタッカーを脇で支えるリベロ(守備専門の選手)でキャプテンの桐島ーーの控え選手だった風助の複雑な心情に、共感を寄せた方は多いだろう。
その後、『ほとりの朔子』『男子高校生の日常』『MONSTERZ モンスターズ』などで多くのブレイク俳優が受賞してきたTAMA映画賞にて最優秀新進男優賞を受賞。
そして、ドラマ「ゆとりですがなにか」で演じた、絵に描いたような“ゆとりモンスター”山岸ひろむ役でブレイク。山岸を主人公にした「山岸ですがなにか」も制作されるほど好評を呼び、映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』(2023)にも同役で出演した。
『すばらしき世界』(2021)で演じた、人生の大半を刑務所で過ごした男(役所広司)に葛藤を抱えながら併走するテレビマン・津乃田役もすばらしく、日本アカデミー賞優秀助演男優賞、毎日映画コンクール男優助演賞などを受賞。
近年の主な出演作は、ドラマ「この恋あたためますか」「コントが始まる」「拾われた男」「初恋の悪魔」「季節のない街」「いちばんすきな花」、映画では『笑いのカイブツ』『熱のあとに』『四月になれば彼女は』、さらに是枝裕和監督の短編映画『ラストシーン』など、実に幅広い。
「虎に翼」では、猪爪家の書生で主人公・寅子(伊藤沙莉)の夫となる優三を演じた。当初は“既婚女性”という社会的地位を得るために結婚した寅子だったが、やがて優三のまっすぐな優しさと揺るがないサポート力に惹かれていく。太平洋戦争が始まり出征していった優三と寅子の別れの“変顔”シーンは多くの視聴者の涙を誘ったものだ。
その後「新宿野戦病院」に“転生”したほか、2024年だけで6本の映画に出演する大活躍を見せた。
「豊臣兄弟!」天下一の補佐役として調整力を発揮
大河ドラマ第65作目となる本作は、平安(「光る君へ」)、江戸(「べらぼう」)と続いた中で、大河の“主戦場”といえる戦国乱世が舞台に。2023年の「どうする家康」以来、信長ー秀吉ー家康の天下統一を描く作品となる。
尾張中村の貧しい農家に生まれた小一郎(後の豊臣秀長)。ある日、彼の前に、音信不通だった兄・藤吉郎(後の豊臣秀吉)が意気揚々と姿を見せる。
藤吉郎は若き戦国武将・織田信長に仕官して大出世を目指しており、小一郎に自分の家来になって欲しいと願い出る。
強引な兄の誘いに巻き込まれ、武士への転身を余儀なくされた小一郎は、故郷を離れる。主君・信長と運命的な出会い。信長のもとで野心を燃やす若き家来たちとの刺激的な出会い。そして、今川義元との桶狭間の戦いに身を投じる…。
信長のもとでメキメキと頭角をあらわしていく兄・木下藤吉郎。その天才的といわれる武功を脇で支えたのが、弟・小一郎の知恵と勇気、そして持ち前の調整力だった。
貧しい農家に生まれ、のんびり百姓をしていたのに、野心あふれる兄によって乱世に巻き込まれ、次男ならではの俯瞰で調整役としての才を発揮していく小一郎。
強い絆で天下統一を成し遂げた豊臣兄弟の下剋上サクセスストーリーは、タイトルの「!」が示すとおり、ポジティブなエネルギーや情熱、高揚感にあふれた物語となりそうだ。
池松が小一郎の3歳年上の兄、藤吉郎(後の豊臣秀吉)を演じ、天下一統を狙う孤高のカリスマ・織田信長は小栗旬。夫・藤吉郎とともに天下人への階段を昇りつめる寧々には浜辺美波、信長の妹・市を宮崎あおい、小一郎の幼なじみで“初恋のひと”・直を白石聖、小一郎の正妻・慶を吉岡里帆、徳川家康を松下洸平が演じるなど、豪華な顔ぶれでも話題。
また、語りを「ゆとりですがなにか」で共演した安藤サクラがつとめるのも楽しみだ。今回は、仲野が体現する巻き込まれ型のポジティブ主人公や、池松との印象深い共演作などに注目した。
波乱万丈の俳優サクセスストーリー「拾われた男」(22)
「豊臣兄弟!」には美濃の鵜沼城の城主で、小一郎たちから織田方への寝返りの調略を受ける大沢次郎左衛門役で松尾諭が出演する。
松尾の波瀾万丈なサクセスストーリーを綴ったエッセイを原作にした「拾われた男」で、仲野が主人公の松戸諭を演じた。諭がある日、自動販売機の下に落ちていた航空券を拾ったことで、あれよあれよと物語が動いていく。
松尾は大河ドラマ「天地人」にて「まだ高校生だった仲野太賀くんと共演している」と明かしており、今回の共演も楽しみだ。
兄に翻弄されまくる家族思いの青年「季節のない街」(23)
「ゆとりですが何か」の宮藤官九郎が企画・監督・脚本を手がけ、巨匠・黒澤明の映画『どですかでん』の原作小説を映像化した「季節のない街」で池松と共演。
“ナニ”と呼ばれる12年前の災害で家族を失い、突然、仮設住宅の“街”にやってきた半助(池松)を青年部に引き入れるタツヤを演じた。音信不通だった兄・シンゴ(YOUNG DAIS)にとことん振り回され、抱える悲哀を陽気さで覆い隠す役どころだった。
池松と対峙するアバターデザイナー『本心』(24)
池松と映画・ドラマを合わせ8作品でタッグを組んできた石井裕也監督が、平野啓一郎の同名小説を原作に、仮想空間上に人間をつくるVF(ヴァーチャル・フィギュア)が実用化された世界を描く。
池松演じる主人公・朔也に興味を抱く世界的に有名なアバターデザイナー・イフィーを演じ、「軽やかでありながら寂しく、とても欲深い人間味をもつ」と、そのキャラクターを分析していた仲野。池松演じる朔也との、まさに本心を探り合うようなシーンは必見だ。
“憧れ”山田孝之と共演『十一人の賊軍』(24)
“憧れ”を公言してきた山田孝之と主演をつとめた本作は、「仁義なき戦い」などを生みだした名脚本家が遺した幻のプロットを白石和彌監督ら『孤狼の血』チームが映画化。
血しぶきが容赦なく舞う、東映の集団抗争時代劇を現代に蘇らせた。
殺陣アクションは初めての挑戦。愚直なまでに、正しいことをしようと熱く懸命に生きる鷲尾兵士郎は、「いちばんすきな花」の鼓太郎や『南瓜とマヨネーズ』のせいいちといった柔らかなイメージを打破する骨太の武士だ。
まさかのパンクロッカーに『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』(26)
俳優・田口トモロヲ10年ぶりの監督作で、脚本を宮藤がつとめる『ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。』が3月27日(金)より公開。峯田和伸(銀杏BOYZ)と若葉竜也がW主演し、ロック映画の金字塔『アイデン&ティティ』の系譜とも呼べる70年代のインディーズロックシーンを描く音楽青春映画。
仲野は「解剖室」のボーカル・未知ヲ(モデル:激烈なサウンドと過激なパフォーマンスでオーディエンスを熱狂させた「ザ・スターリン」遠藤ミチロウ)を演じ、まったく別の姿を見せる。
大河ドラマ「豊臣兄弟!」は2026年1月4日(日)20時~NHK 総合ほかにて放送開始。
『ストリート・キングダム自分の音を鳴らせ。』は2026年3月27日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開。
(上原礼子)
■関連作品:
桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開
© 2012「桐島」映画部©朝井リョウ/集英社
ほとりの朔子 2014年1月18日よりシアター・イメージフォーラムほか全国にて公開
© sakuko film partners
南瓜とマヨネーズ 2017年11月11日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開
© 魚喃キリコ/祥伝社・2017『南瓜とマヨネーズ』製作委員会
すばらしき世界 2021年2月11日より全国にて公開
©佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会
ゆとりですがなにか インターナショナル 2023年10月13日より全国にて公開
©2023「ゆとりですがなにか」製作委員会
熱のあとに 2024年2月2日より新宿武蔵野館、渋谷シネクイントほか全国にて公開
©2024 Nekojarashi/BittersEnd/Hitsukisha
十一人の賊軍 2024年11月1日より全国にて公開
©2024「⼗⼀⼈の賊軍」製作委員会
本心 2024年11月8日よりTOHO シネマズ 日比谷ほか全国にて公開
©2024 映画『本心』製作委員会
ストリート・キングダム 自分の音を鳴らせ。 2026年3月27日よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開
©2026映画『ストリート・キングダム自分の音を鳴らせ。』製作委員会