クエンティン・タランティーノ監督も称賛するカルト・サスペンスホラー『悪夢の系譜【4Kデジタル修復版】』日本劇場初公開決定
長らく視聴困難だった1982年製作のカルト・サスペンスホラー『悪夢の系譜【4Kデジタル修復版】』が、4月17日(金)より日本劇場初公開されることが決定した。
70年代後半から80年代にかけて、オーストラリア映画界では低予算ながら大胆な表現とジャンル横断的な姿勢を特徴とする作品群が次々と生まれ、暴力、エロティシズム、アクション、ホラーといった刺激的な要素を武器に国際市場へ打って出た。
『パトリック』(78)や『ロング・ウィークエンド』(78)といった今なおカルト的な人気を誇る作品から、果ては『マッドマックス』(79)のような傑作まで、数々の個性的な名作が生まれたが、その潮流の中でも特異な輝きを放つ一本として語り継がれてきたのが本作。
監督を務めたトニー・ウィリアムズは、同時代の作品がセンセーショナルな表現を競い合う中で、観客の心理にじわじわと侵入する静かな恐怖を追求。本作を最後に長編劇映画から離れたが、その一作が放つ「孤高の恐怖」は後年になって世界の映画作家や批評家から高く評価され、クエンティン・タランティーノが「『シャイニング』に匹敵するような映画はほとんど存在しない。唯一の例外があるとすれば、この『悪夢の系譜』だろう」とその愛を語ったことで更なる再評価の機運が高まった。
音楽を担当したのは、電子音楽のパイオニアとして数々の先駆的な作品を発表し、『アングスト/不安』(83)のサウンドトラックを手掛けたことでも知られるドイツ出身の音楽家、クラウス・シュルツェ。そのスコアは、映像の静けさと呼応しながら、不可視の恐怖を増幅させる「もうひとつの主役」として本作をカルト的名作へと大きく押し上げた。
静謐な映像美と縦横無尽なカメラワーク、そして終盤に向けて一気に加速する狂気の展開…長らく「知る人ぞ知る」存在でありながら、後年になって世界中の映画作家や批評家から熱狂的な支持を集めるようになった異色作となる本作。80年代ホラーの文脈にありながら、ジャンルの枠を超えて映画体験そのものを研ぎ澄ませた、今なお新鮮な驚きをもたらす唯一無二のサスペンスホラーとなっている。
日本での初の劇場公開に併せて、日本オリジナルのポスタービジュアルと予告編が到着。
ポスタービジュアルでは、一族が代々所有してきた田舎の屋敷〈モンクレア〉を相続した主人公のリンダ(ジャッキー・ケリン)が、白い角砂糖をピラミッド型に淡々と積み上げる描写を捉えており、どこか不気味な感覚を覚える。傍に添えられたキャッチコピーには、「受け継いだのは、忌まわしき〈秘密〉」と銘打たれており、母の遺産だけではなく、なにか只ならぬものを譲り受けてしまったことが見受けられる。
予告編冒頭では、舞台となる屋敷内の廊下に、無表情の人が等間隔で並びつつ、一人は扉の隙間から眠む異様な光景を目の当たりにすることができる。続いて主人公・リンダが登場して、「屋敷を含むすべての財産を、我が娘に相続する」という本作の起点を紐解くシーンが映し出されている。
母の遺産を相続し遺品整理にすることを決めたリンダは、高齢者向けの養老院として使われている屋敷を訪れると、母の日記を見つける。
日記には、「屋敷から奇妙な音が聞こえて夜も眠れない」という記述があり、この屋敷では勝手に電気が消える、急に水が流れ出すといった奇々怪々な現象が起こっている事を知る。そして風呂場のシャワーの水が溢れている場面に遭遇しシャワーカーテンを開くと…、水面に沈む老人の水死体を発見してしまうのだった…。
「この屋敷には邪悪な"何か"がある」という母の日記を読みながら、何らかの不気味な存在の気配をリンダが感じていることが伺い知れる。屋敷に住む老人が耳元で「まだ死んでいない」という奇妙なメッセージを残すと、リンダの悲鳴が轟く場面と共に、身の毛がよだつシーンが連続する…。「日本初公開、唯一無二のカルト・サスペンスホラー」というコピーが躍る中を、何かから逃げるリンダに待ち受ける運命とは。そして母からいったい何を継承してしまったのか、顛末が気になる予告編に仕上がっている。
先んじて本作を鑑賞した映画監督の篠崎誠氏は、「興奮で全身鳥肌立つような衝撃が、スクリーンから私たちを直撃する」という寸評を残しており、本作の映像表現、恐怖演出に度肝を抜かれたと明かしている。クエンティン・タランティーノ監督も称賛する、予測不能な狂気の映画体験を、静寂の劇場で体感いただきたい。
『悪夢の系譜【4Kデジタル修復版】』は4月17日(金)よりシネマート新宿、池袋HUMAXシネマズほか全国にて公開。
(シネマカフェ編集部)