【インタビュー】山下智久×福原遥、“相棒”となり「ともに成長できた4年間」愛される作品の秘訣とは
「正直不動産」が映画となり、我々のもとに帰ってくる!山下智久演じる口八丁手八丁で成り上がった不動産営業マン・永瀬が、嘘がつけなくなったことから、これまでの営業スタイルが通じず悪戦苦闘するストーリー。
耳障りのいい言葉の代わりに本心かつ真実という名の毒を吐く永瀬だが、結果、周りのために人事を尽くしていく。思いもよらぬ誠実な行動こそが永瀬自身を変えていき、その痛快さが視聴者の心をつかんだ。そんな永瀬の後輩として、カスタマーファーストを掲げ客の手となり足となり、不動産業界をたくましくサバイブする後輩の月下を演じたのが福原遥。永瀬&月下=山下&福原のコンビが、映画でもらしさ全開に奔走し、爽やかな風を届けてくれる。
インタビューでの二人の空気感は、そこが登坂不動産のオフィスであるかと思うほどのホーム感と心地よさを漂わせていた。永瀬と月下の関係について、ドラマシリーズで月下は「先輩・後輩でなく“相棒”」だと表現していたものだ。俳優という職業でのキャリアや年月においては山下&福原は先輩・後輩にあたるが、『正直不動産』というフィールドでは一蓮托生の仲となったといえる。
この素晴らしき「相棒」のエピソードには、信頼の2文字が宿っていた。
二人の信頼、絆 「ともに成長できた4年間」
――『正直不動産』がついに映画版として公開を迎えます。映画の撮影にあたり、お二人はすぐに永瀬と月下に戻れましたか?
山下:戻れました。もう何も考えず、やれましたね。福原さんはじめキャストの皆さんやスタッフさんも、ドラマのシーズン1からずっと一緒にやらせてもらっている方たちなので「帰ってきたな」という感じになりました。作り込んでいくという感じはまったくなく、自然体でした。
――山下さんの中にずっと永瀬がいたからすぐに出せた、などもあったりしますか?
山下:ああ、それもあると思います。長く向き合っているキャラクターなので、馴染んでいるところはありますよね。
そういう意味では苦労はしなかったです。
福原:私は入る前は「戻れるかな?」と思ったりしたんですけど、山下さんのおっしゃる通り、皆さんほぼ変わらず1からずっと一緒にできているので、現場にいたらすぐ月下になれました(笑)。山下:すごい仲良いもんね、スタッフの皆さんと。
福原:はい!
――福原さんのその姿は、山下さんからご覧になっても「なんかいいなあ」という感じですか?
山下:だから、オフィスが修学旅行先みたいな(笑)。めっちゃ盛り上がっているんですよ。
福原:皆さんで仲良しですよね!
山下:仲いいね。
――シーズン1、2、スペシャル、映画と撮影をともにしていて、お二人の関係性は変化しましたか?
山下:ファーストシーズンでは、月下は新入社員として永瀬のいる登坂不動産に入ってきたので、あえての凸凹感を当時はうまく表現できたと思います。そこから月下はどんどん成長していって、一人で案件をまとめられるようになって。
その間、実際に福原さんもいろいろな経験をされて、すごく成長されているんですよね。そこがマッチしていたなあと思います。
なんか…(視聴者に)喜んでもらえる作品って、いろいろなことがリンクしますよね。僕もそうですけど、役と本人がある意味シンクロするところがどこかあったりしますし。だからいい感じにお互いに変化して、成長していったのかな、と。そのバランスが良かったのかなと思うんです。一方だけが成長して、一方が成長しないとズレてきちゃうと思うので。いい感じに、ともに成長できた4年間だと思います。
――山下さんにとって、非常に頼もしいお相手ということですよね。その集大成の映画という。
山下:いやいや、本当に。素晴らしい成長率です。
福原:そんな、ありがとうございます。私としては、山下さんは変わらずずっと安心をいつもくださる方です。私は1のときから、ひたすら甘えてしまっているんですけど。全部を面白くしてくださるし、受け止めてくださるので、私もすごく自由にお芝居をさせていただけました。
本当に感謝しています。私から見ても、永瀬さんと月下の掛け合いや二人の絆が、すごい素敵だなと思うんです。どんどん重ねるごとにより深くなっている気がして、うれしかったです。
自由な芝居ができる、 風通しの良い現場
――本作で色濃く出ている山下さんの面白さや、シニカルなお芝居について。福原さんは間近で受けられて、芸達者ぶりに思わず笑ってしまったりしないものですか?
福原:いえいえ、もう笑ってます!!段取りの時点でずっと笑っていて、いつも「どうしよう、どうしよう」って(笑)。
山下:(真顔で)だから1日、撮れて1シーンですからね。
福原:さすがにそれは大問題です(笑)。
山下:そうだね(笑)。
――山下さん自身は、台本を読んだ時点で「こういう風にやってみようかな」と考えたりして臨むんですか?
山下:いや、それが風が吹くとですね、ちょっと覚えていないんです。「あれ、撮影終わった!?」みたいな(笑)。
福原:カッコイイですね~!
山下:風ってやっぱりすごいよ(笑)! (ドラマシリーズを)OAしているときは、大変だったんですよ。友達と会うと、あおいで風を吹かされて僕が本当のことを言っちゃう…という、そういういじられ方をされました(笑)。
福原:正直なことを言いやすくなりますね!
山下:そうなの。すごいぶちまけていました。
――『正直不動産』ならではのエピソードです!それで実際は…?
山下:実際はこういう風にやってみようと現場で考えることもありました。監督から当日に「すみません。
ここちょっと永瀬っぽく説明お願いします」とくるんです。お客さんに物件の説明をするときなんか、めちゃくちゃその日に考えたりします。
福原:山下さんがすごいのは、段取り・テスト・本番と毎回違うんです!
――その後は福原さんの受けの芝居もあるわけで、お二人のコンビネーションがやはり光りますよね。
福原:私は最初のほうはついていくのに精一杯で「なんて返そう!?」とあたふたしていました。でも、私が何を言っても全部面白くしてくださるので、「もう何でも言っちゃおう」と思って自由にさせていただいています。
山下:長谷川(忍 ※永瀬と月下の上司・大河役)さんがオフィスにいるときは、自由に僕らは遊ばせていただいて、全部回収していただいています。
福原:突っ込んでもらっています!
今の時代だからこそ描く
“人と人との深い関わり”
――お二人の空気感が作品の魅力の一つだと思いますが、シリーズがこれだけ愛される秘訣はどこだと考えますか?
山下:この令和に薄くなりかけているご近所付き合い、地元愛、人情、目の前にいる人に対して全力でできることをしようと思う気持ちとか、そういうちょっと忘れかけちゃっている懐かしさが、じわっと伝わったところなのかなと思います。上の世代の人はその時代が長くて、僕とかもまだその時代を知っていたりして、ギリギリ残っているんですよね。かっこよくないところが皆さんに響いたのかなと、勝手に思っています。ドロンコで駆けずり回る営業ですし、義理人情ものはやっぱり大事だなあって。
あとは、やっぱりルールに縛られて則っていると、追いかけていても届かないものがあるというか。ルール内で収まらないことを、どれだけ頑張って一生懸命できるか、そういう大切さも感じます。声を大にして言ってはいないですけど、見え隠れしたりしている「頑張るぞ精神」みたいなものが、にじみ出て共感してもらえるのかなと思うんです。洒落っけなく真っ直ぐ行く、ど直球なのがいいのかなと。僕も…サウナに行ったとき、おじさんに声をかけていただけるんですよ(笑)。おじさんにも響くのは、その泥臭さが良かったのかなと思っています。
福原:私自身、温かい作品や家族もの、人と人との深い関わりみたいな作品が好きなんです。『正直不動産』は映画もドラマも、すごく大事件が起こるわけではないですけど、見ていてぽろっと泣いちゃったり、爆笑しちゃったり。見終わった後に本当に心がポカポカ温まるような、そんな気持ちを感じられる作品だと思います。山下さんもおっしゃっていたように、本当に人と人との関わりに尽きるんですよね。月下のカスタマーファーストもそうですし、どれだけその人を助けられるかという思いやりややさしさをすごくこの作品から感じます。皆さんも、見ていてほっこりやさしい気持ちになれるんじゃないかなと思っています。
▼山下智久
■ヘアメイク
北一騎
ICHIKI KITA
■スタイリスト
Masayuki Sakurai[casico]
■衣装クレジット
スーツ¥460,000、ニット¥185,000、
シューズ¥165,000/ディオール、
時計¥2,178,000/ブルガリ
<お問い合わせ先>
クリスチャン ディオール 0120-02-1947
ブルガリ ジャパン 03-6362-0100
▼福原遥
■ヘアメイク
布野夕貴
FUNO YUKI
■スタイリスト
川崎加織
KAWASAKI KAORI
※川崎加織の「崎」は、正しくは「たつさき」
(text:赤山恭子/photo:You Ishii)
■関連作品:
正直不動産 2026年5月15日より全国にて公開
©大谷アキラ・夏原武・水野光博/小学館©2026 映画『正直不動産』製作委員会