ヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!
(Photo:cinemacafe.net)
まずは最も古い歴史を持ち、カンヌ、ベルリンと並んで世界三大映画祭のひとつに数えられるヴェネチア国際映画祭。今年はジョージ・クルーニーがメガホンを握り、ライアン・ゴズリングが主演を務める『The Ides Of March』(原題)がオープニングを飾る。三大映画祭の中でも日本をはじめアジア映画と相性が良いと言われるヴェネチア。日本からは今回、園子温監督の『ヒミズ』がコンペティション部門に出品されている。前作『冷たい熱帯魚』が同映画祭のオリゾンティ部門に出品された園監督。今回は金獅子賞に期待がかかる。
そのほか日本からはコンペティション部門ではないものの清水崇監督の新感覚ホラー『ラビット・ホラー3D』、すでに日本で公開中のジブリ最新作『コクリコ坂から』も上映。オリゾンティ部門にも個性的な邦画が出品。世界的な名匠アミール・ナデリがメガホンをとり、西島秀俊、常盤貴子らが参加した『CUT』がオリゾンティ部門のオープニングを飾るほか、監督・塚本晋也×主演Coccoによる『KOTOKO』、平林勇監督によるアニメーション映画『663114』も同部門にて上映される。西島さんにとっては北野武監督作『Dolls』以来9年ぶりのヴェネチア。2003年には『地球で最後の2人』で浅野忠信が同部門の男優賞に輝いており、先鋭的、革新的な新しい才能を評価するオリゾンティ部門にも要注目。
邦画以外では、ロマン・ポランスキーの最新作でケイト・ウィンスレット、ジョディ・フォスター、クリストフ・ヴァルツといった実力派が顔を揃えた『Carnage』(原題)、キーラ・ナイトレイが主演を務めるデヴィッド・クローネンバーグ監督作『A Dangerous Method』(原題)などがコンペティション部門に出品される。
さらにコンペ外にも著名な監督の作品、実力派俳優が自らメガホンを握った作品が並ぶ。マドンナの監督第2作となる『W.E』(原題)にアル・パチーノ監督作『Wild Salome』(原題)、フランシス・フォード・コッポラ監督の『Twixt』(原題)など楽しみな作品ばかり。
ブラッド・ピット主演で話題の『マネーボール』(原題)にジョセフ・ゴードン=レヴィット&セス・ローゲン共演作『50/50』などスター出演作も見逃せない。華やかなレッドカーペットの盛り上がりも楽しみだ。
幕を開けたばかりの第35回モントリオール世界映画祭には、日本からはさだまさし原作の小説を岡田将生、榮倉奈々をキャストに迎えて映画化した『アントキノイノチ』、役所広司、樹木希林、宮崎あおいという実力派キャスト共演の『わが母の記』がワールド・コンペティション部門にノミネート。そのほか、山村浩二監督の短編アニメ『マイブリッジの糸』が短編映画のコンペティションに、板尾創路監督第2作『月光ノ仮面』がフォーカス・オン・ワールド・シネマ長編部門に出品されている。また第二次世界大戦直後のブラジルを舞台に、日系移民の闇を描き出すブラジル映画『DIRTY HEARTS』がコンペティション部門にノミネートされているが、本作で伊原剛志が海外映画初主演を務めており、常盤貴子、奥田瑛二、余貴美子らも出演している。
また、同じくカナダで開催されるだ第36回トロント国際映画祭には先述の通りヴェネチアにも出品される『ヒミズ』に『CUT』(原題)、『KOTOKO』に加え、妻夫木聡主演の『スマグラーおまえの未来を運べ』も出品。ノンコンペティションで観客の投票による「観客賞」が実質的な最高賞となるが、2006年に奥田瑛二監督の『長い散歩』、2008年の『おくりびと』がグランプリを受賞したほか、2009年には『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』の根岸吉太郎監督が監督賞を受賞し、昨年は『悪人』で深津絵里が主演女優賞に輝いており、邦画勢の受賞なるか楽しみなところ。アカデミー賞の行方を占う上でも重要な意味を持っており邦画、洋画ともに注目が集まっている。
モントリオール世界映画祭は8月18日〜28日、ヴェネチア国際映画祭は8月31日〜9月10日、トロント国際映画祭は9月8日〜9月18日の期間にて開催。
■関連作品:
アントキノイノチ 2011年11月19日より全国にて公開
© 「アントキノイノチ」製作委員会スマグラーおまえの未来を運べ 2011年10月22日より全国にて公開
© 真鍋昌平・講談社/2011「スマグラーおまえの未来を運べ」製作委員会月光ノ仮面 2012年1月14日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開
© 「月光ノ仮面」製作委員会マネーボール (原題) 2011年11月11日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開
© 2011 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.コクリコ坂から 2011年7月16日より全国東宝系にて公開
© 2011 高橋千鶴・佐山哲郎・GNDHDDTラビット・ホラー3D 2011年9月17日より全国にて公開
© 「ラビット・ホラー」製作委員会2011 わが母の記 2012年、全国にて公開
© 2012「わが母」製作委員会CUT 2011年公開
ヒミズ 2012年春、シネクイントほか全国にて順次公開
© 『ヒミズ』フィルムパートナーズ
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