アンダーグラウンドからオスカーへ 隠れた名優ジョン・ホークスが語る「男」
(Photo:cinemacafe.net)
良作のインディペンデント映画の発掘の場として知られるサンダンス映画祭で2冠に輝き、各国で絶賛された傑作人間ドラマ『ウィンターズ・ボーン』。“苛酷”の一言では片付けられない、良識など通じない境遇に生きる少女・リー(ジェニファー・ローレンス)の“生”にスポットが当てられる中、ときに彼女の存在を喰うほどの迫力で強い印象を残す男がいる。リーに生きることの厳しさ、そして彼女の行く手を阻む「掟」を、身を呈して伝える伯父・ティアドロップだ。一見危なすぎるこの男を鬼気迫る演技で魅せ、本年度のオスカーでその名を知らしめた、名優ジョン・ホークスが語ってくれた。
ティアドロップは「変化しながら、強い意志をもって自分の目標を達成する男」
父親が失踪したせいで、生きる場所を失う危機に陥る少女・リーはやむなく、ならず者の肉親の家の扉をたたく。そこで強烈な登場をするのが、ティアドロップ。頼る者が他にいない中、必死にしがみつくリーを彼は荒っぽく突き放すのだ。だが、無謀な“真実探し”の冒険に挑むリーに突き動かされるように、ならず者の彼に変化が訪れる。
「映画を観た多くのジャーナリストにティアドロップのことを聞かれて、僕は『最初の彼は好きじゃないけど、変化した後の彼は好きだ』って言ったら『彼は最初から最後まで何も変わっていないのではないか。