ドイツの新鋭A・フェーリング 30歳のいまだからこそ演じられた、23歳のゲーテ
(Photo:cinemacafe.net)
「事情により私は本日婚約しました」――。そう綴られた手紙によってもたらされたひとつの恋の終わりが、ドイツを代表する文豪を誕生させた。男の名はゲーテ。彼の名を一夜にしてヨーロッパ中に知らしめた小説「若きウェルテルの悩み」の誕生の裏にある、ゲーテの青春の日々を描いた映画『ゲーテの恋〜君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」〜』がまもなく公開となる。若き日のゲーテを演じたのは、ドイツ国内での活躍はもちろん、クエンティン・タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』にも出演するなど国際的な注目を浴びる実力派の新鋭アレクサンダー・フェーリング。映画の公開を前に初めての来日を果たした彼に話を聞いた。
ゲーテと聞いてなかなか日本人にはピンと来ないが、アレクサンダー曰く「何でも知っているユニバーサルな天才というのがドイツ人の持っているイメージ」。今回、映画で描かれた若き日の恋や自らの才能について懊悩するような部分はあまり知られていないそう。
「演じる上で、映画を観る人が僕の表情からゲーテの内面を理解できるような芝居を心がけました。『若きウェルテルの悩み』もまさにそうだけど、彼は自分の作品の中で自身を表現する人。