“母”ニコール・キッドマンが語る「どんな苦痛に見舞われてもユーモアを失わない」
(Photo:cinemacafe.net)
深い深い悲しみの穴の先に見える、未知なる瞬間とは――。ある日突然、最愛の息子を失った一組の夫婦のやり場のない悲しみと喪失、それでも進む彼らの時間をとらえた珠玉の人間ドラマ『ラビット・ホール』がまもなく公開となる。本作で初めてプロデューサーを務め、またこれまでに見たことのない“母”の感情をあらわにし、入魂の演技で喝采を浴びた女優、ニコール・キッドマンがそのあふれる思いを口にした。
デヴィッド・リンゼイ=アベアーの舞台劇を原作に、本人自らの脚本で映画化された本作。この戯曲に感銘を受けたニコールは自ら映画化に動き出し、初のプロデュース作品の公開に漕ぎつけた。
「私はいつも、極限の題材を扱った映画に興味を抱くんです。人々が愛を渇望するとき、人々が愛を失うときに、その人々に興味を覚えるんです。子どもを失うということは、自分が行き着く中で最も恐ろしい場所。
そして自分をクリエイティブに向かわせる場所とは、自分が恐れを抱く場所でもあるんです。今回、私は考えられないような重い悲劇にさらされながら、とても異なるリアクションをするこの夫婦に、本当に心を鷲づかみにされました。