くらし情報『ベネット・ミラー監督インタビュー 『マネーボール』で描きたかった“真髄”とは?』

ベネット・ミラー監督インタビュー 『マネーボール』で描きたかった“真髄”とは?

その本を映画化するというのはチャレンジングな試みだったよ。ただ、その中にもビリーについての個人的なエピソードが少しだけ描かれています。注意深く読むと、実際にアスレチックスに何が起こったかという部分に加え、ビリーがどのように様々なことを理解し、取り込んでいったかが分かる。そうした部分を抽出し、原作の神髄とも言える部分を維持しながら作っていったんだ」。

ミラー監督はドキュメンタリー映画『The Cruise』(原題)で監督デビュー。2作目の『カポーティ』では作家トルーマン・カポーティが名作「冷血」を描き上げる過程を鮮やかに映像に綴ったが、人物や出来事に寄り添い、その裏側を描き出すというスタイルは本作にも継承されている。

「実在した人物を扱うということで、当然のことだけど真実の扱いに対する責任が生じる。でもこの“真実”というのは本当に厄介なものなんだ(笑)。
映画の中では真実なんてどのようにも取れるからね。私が考える“真実の在り方”の描き方は2通りある。ひとつ目は文字通り、伝記的に彼が何を言って何をしたかを描いていくというやり方。もうひとつは彼の真髄、どういう人物だったかを伝えるという方法。

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