役所広司「魂安らかになれば」 五十六の故郷・長岡“冬花火”に感激
(Photo:cinemacafe.net)
日米開戦に対して最後まで強硬に反対を唱えつつ、時流に抗しきれず、自らの手で戦端を切ることを余儀なくされた司令長官・山本五十六の苦悩と葛藤を『孤高のメス』、『八日目の蝉』の成島出監督が壮大なスケールで映画化。舞台挨拶には役所さん、成島監督を始め、戦争の気運を煽るマスコミに疑問を感じる新聞記者役の玉木宏、柄本明、柳葉敏郎、阿部寛、吉田栄作、椎名桔平、益岡徹、袴田吉彦、五十嵐隼士、原田美枝子、瀬戸朝香、田中麗奈、中原丈雄、中村育二、伊武雅刀、宮本信子、香川照之、長谷川康夫(脚本)という総勢20人が登壇し、思い思いに本作に込めたメッセージを客席に伝えていた。
「新聞記者という新しい目線で、当時のことを見ていただけると思う」と語る玉木さんは劇中、五十六から“次の日本”を担うという役どころで「いま、日本に生きているすべての人が今後を担う存在。いま伝えなければいけないメッセージが詰まった作品なので、ぜひ広めてほしい」と熱弁。「将来の日本のために、何ができるのか映画を通して考えていただければ。あえて言います、構えて観てください」(柳葉さん)、「過去を知り、風化させないことにこの映画の意味がある」(阿部さん)、「いまこそ歴史をふり返るときが来た」(吉田さん)とアピールしていた。
一方、五十六の妻を演じる原田さんは「軍人の妻として、本当の気持ちは言葉にできなかったはず。戦争は勝っても負けても幸せにはなれない。そんな気持ちを込めた作品」。宮本さんは五十六の姉を演じ「戦争はいやだと言えずに働く五十六の姿を、肉親として誇りに思い、見守った」と演じる上での心情を吐露。
女性の目線からも描かれた本作の“夫婦愛”“姉弟愛”を訴えた。最後に、役所さんは「当時、日本を守るために戦った人たちが思い描いた心豊かな日本。いまの日本が果たしてそうなのか、時代と向き合い、ぜひ考えていただければ。最近は五十六を“ごじゅうろく”と読む若い人もいらっしゃるようですし(笑)」と日米開戦70周年の節目となったこの日、五十六という人物を後世に伝えるべく挨拶した。
『聯合艦隊司令長官山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実―』は12月23日(金・祝)より全国にて公開。
■関連作品:
聯合艦隊司令長官山本五十六 ―太平洋戦争70年目の真実― 2011年12月23日より全国にて公開
© 2011「山本五十六」製作委員会
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