「理解不能」の声が続出…トリアー監督自らパニックの『メランコリア』の“衝撃”
(Photo:cinemacafe.net)
デンマークが生み出した類まれなる鬼才、ラース・フォン・トリアーが贈る問題作『メランコリア』が日本でも公開を迎えた。その過激で異端な作風と同様に、常に挑発的な言動が賛否を呼んできた彼が最新作で描き上げたのは「世界の終わり」。自らのうつ病体験を投影させた本作について「この映画は、甘いクリームの上にクリームを重ねたような映画だ。女性の映画なのだ」と語るトリアー監督。果たして、その意味するものとは――?
映画の幕開けと同時に、まるで絵画のような圧倒的な映像美と不穏に響くワーグナーの調べが観る者に警鐘を鳴らす。やがてこの映画が、2人の姉妹、メランコリックな気分に支配され、心を病む妹のジャスティン(キルスティン・ダンスト)と、彼女を心から気遣う姉のクレア(シャルロット・ゲンズブール)の変化していく“魂”の物語だということを知らされる。惑星メランコリアの異常接近による地球滅亡の危機が迫る中、激しく揺さぶられ壊れていく2人の繊細な心理描写が、静かに、美しき狂気を帯びながら映しだされていく。だが、実際に映画を鑑賞した人からは、その衝撃のラストに“疑問符”を抱く人が続出。