【シネマモード】日本の「家族」を感じる映画vol.2 『宇宙兄弟』×兄弟の関係
(Photo:cinemacafe.net)
正直に言えば、アポちゃん見たさでした。映画『宇宙兄弟』の原作漫画を手に取ったのは、主人公の一人が飼う犬、パグのアポちゃん見たさ。かなり面白い物語であるという話は聞いていたのですが、要するに初めの期待値はそんなものだったのでした。ところが、いまではすっかりハマってしまいました。先に宇宙飛行士になった弟・ヒビトと、かつての夢を思い出し、弟の背中を追いかけ始めた兄・ムッタの物語は、JAXAやらNASAやら、月面やらが舞台になり、頭脳明晰な人物たちが登場しているにもかかわらず、どこかオフビートでゆるい。でもそれなのに、時折、涙すらこぼれるほどにジーンとくるような感動を覚える始末。その緩急のバランスが絶妙で、心をわしづかみにしてくれるのです。
物語の中心となるのが、兄弟の関係性。
2人は、仲の良い兄弟であり、最良のライバルです。子供の頃から宇宙好きで、幼いころに「二人で宇宙飛行士になろう、二人で一緒に宇宙に行こう!」と誓ったため、先に夢を果たした弟は、いつしかその夢を忘れた兄が、自分を追いかけてくるのを静かに待っているのです。
印象としては、デキの良い弟と、いつも一歩先を越されるダメな兄という間柄の2人。