“素顔”を見たら、もっと好きになっちゃいそう。『ファミリー・ツリー』×ハワイ
(Photo:cinemacafe.net)
常夏の楽園、ハワイ。旅行者にとっては、非日常を代表するパラダイスでも、そこに住む人には至ってごく当たり前の日常が横たわっています。映画では、ハワイといえばパラダイスとして扱われることが多いけれど、『ファミリー・ツリー』で描かれているのは楽園に住む人たちの日常とそこに生まれた人生の危機。アレクサンダー・ペイン監督(『サイドウェイ』)ならではの、情緒豊かでユーモアあふれる語り口が魅力です。
「楽園」ハワイにある「日常」
ジョージ・クルーニー演じる弁護士マット・キングは、美しい妻と二人の娘に囲まれて、ハワイ・オアフ島に暮らしています。ところがある日、妻がボートの事故で突然昏睡状態に。それをきっかけに、妻には愛人がいて離婚を考えていたことが発覚するのです。さらに、そのことをすでに知っていた長女はこの状況にショックを受けて荒れまくり、家族はバラバラ状態。
人生最大の危機に直面したマットですが、さらに頭の痛い問題が。彼と親戚たちはカメハメハ大王の血を引く先祖より、カウアイ島に広大な原野を受け継いでいたのですが、売却するかどうかのはざまで思い悩んでいます。