【シネマモード】キッチンから見えてくる、甘酸っぱい素顔のイラン『イラン式料理本』
(Photo:cinemacafe.net)
イランという国に、どんなイメージをお持ちでしょうか?イスラム文化の国で、女性たちには髪を覆う“ヒジャーブ”の着用が強制されていて、核開発問題でも話題を振りまいている…。そんなところが一般的でしょうか。いまはイランと言えば、イラン人の父をもつダルビッシュ有という方も多いと思いますが。
映画好きなら、アッバス・キアロスタミ、モフセン・マフマルバフら名匠たちの作品で少しは馴染みがあるかもしれませんが、私もそんな感じでした。イランが抱える様々な問題が反映された物語を、映画を通して見ていたので、ネガティブな部分にばかり敏感になっていたような気もします。豊かな歴史と文化を持つ国であるにも関わらず、あまり興味を持つことができなかったのです。個人的にイランの方と交流する機会がないこともあり、素顔や本音が見えにくかったのも理由かもしれません。常に、何か、誰かのフィルターがかかった情報ばかりを見ていたような気がします。
そんな私にとって、『イラン式料理本』はとても新鮮でした。これは、イラン女性たちの姿をキッチンで撮影し続けたドキュメンタリー映画。モハマド・シルワーニ監督は、自分の母や母の友人、自らの妹や妻、そして妻の母など7人の女性とキッチンに入り、カメラを据えてひたすら彼女たちを撮影し続け、あふれ出る本音に耳を傾け続けました。