2012年10月3日 12:31
『新しい靴を買わなくちゃ』中山美穂×向井理インタビュー「自然と」縮まった距離
(Photo:cinemacafe.net)
「やりきった感じがします」と力強く言い切った次の瞬間、「いや、そうでもないな」と即座に前言を撤回。落ち着いた口調なのに目まぐるしくて、クルクルといろんな表情を見せるのに妙に潔さを感じさせる。中山美穂は奔放だ。向井理は呆れるでもあきらめるでもなく、面白がるでもなくただ静かな笑みを浮かべて見守っている。「ちょっと抜けたところがある」とは、向井さんが中山さん演じる主人公・アオイを評した言葉だが、アオイに中山さんを重ね合わせて出てきた言葉のような気がしてくる。数々のヒットドラマを手がけた北川悦吏子が脚本・監督を務め、岩井俊二がプロデュースのみならず撮影監督としても参加。全編パリでのロケで撮影された『新しい靴を買わなくちゃ』。中山美穂と向井理――最高の舞台で展開する甘さと切なさが入り交る恋のパズルのメインピースを担う、これ以上ない組み合わせである。
そんな“最強のふたり”に話を聞いた。
「戦争でしたよね、ホント」(中山)
撮影の初日が中山さんと向井さんの初対面。撮影はテストを殆ど行わないまま、いきなり本番でセーヌ河のほとりでアオイとセン(向井さん)が偶然の出会いを果たすシーンから始まった。