【シネマVOYAGE】パリ、ニューヨーク、ロンドン…ファッションの歴史を辿る旅
(Photo:cinemacafe.net)
行ってみたい街、訪れてみたい場所、自分の目で確かめたい風景──そんな願望を映画の中で叶えてくれるのが“旅”を感じる映画の良さ。その中でも、フィクションではない実在の人物の半生を辿るドキュメンタリーは、街、場所、風景はもちろん、約2時間でその人が歩んできた道をも追体験できる、凝縮された旅と言えます。『ダイアナ・ヴリーランド 伝説のファッショニスタ』もその一つです。
ダイアナ・ヴリーランドとは、20世紀のファッションを語る上で避けて通ることのできない人物。直接その名前を知らなかったとしても──“ファッション誌「ヴォーグ」の編集長だった女性”という形容詞が付けば、どれだけカリスマ的存在だったのか想像できるのではないでしょうか。オードリー・ヘプバーン主演の映画『パリの恋人』やパリのモード界を舞台にした映画『ポリー・マグーお前は誰だ』で登場する雑誌編集長はダイアナがモデルでしたし、ローレン・バコールやシェール、バーブラ・ストライサンド、イーディー・セジウィック(挙げたらきりがない!)といった歴史に名前を刻むアイコンたちの輝きをいち早く捉え、彼らを表舞台へと誘ったのも彼女でした。