ヒッチコックと作曲家が対立!?『サイコ』伝説のシャワー・シーンにまつわる裏話とは?
(Photo:cinemacafe.net)
“サスペンスの神”とうたわれた男アルフレッド・ヒッチコックと、彼を支えた妻アルマ・レヴィルとの知られざる物語を描いた『ヒッチコック』。このほど、本作の監督サーシャ・ガヴァシから、敬愛してやまないヒッチコックと映画音楽についての談話が届いた。
アンソニー・ホプキンスが特殊メイクを施してヒッチコックに扮し、第85回アカデミー賞ではメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされた本作。1959年、新作『サイコ』の製作に挑んでいたヒッチコック夫婦の絆と、最大のヒット作にしてサスペンス映画の金字塔となった『サイコ』の舞台裏を描いているが、当時、あの有名なシャワー・シーンをめぐってはこんな裏話があったようだ。
「音と映像は切り離せない」というのがヒッチコックの信念だったが、ヒロインが襲われるシャワー・シーンでは音楽を一切つけないつもりだったらしい。ところが、音楽を担当したバーナード・ハーマンはそれに反対し、激しく容赦のないバイオリンの音色をつけ、恐怖そのものを呼び起こす旋律として、『サイコ』のスコアを史上最も影響力のある映画音楽の1つにしたのだ。
『ヒッチコック』のガヴァシ監督もまた、自分の映画に独特の音楽的感覚をつけたいと強く願ったようで、「子どものころからずっとヒッチコックのファン」