くらし情報『新海誠監督インタビュー 「万葉集」と“雨”の歌から生まれた、「これは雨宿りの映画」』

2013年5月31日 18:25

新海誠監督インタビュー 「万葉集」と“雨”の歌から生まれた、「これは雨宿りの映画」

そこに、大学時代からずっと心に残っていたという2つの要素が自然と加わっていった。ひとつが「万葉集」。そしてもうひとつが、本作で秦基博がエンディング曲としてカバーしている大江千里の作詞・作曲による楽曲「Rain」だった。
「大江さんが好きな女の子がいて、その子に貸してもらったカセットに『Rain』があってずっと好きな曲でした。『万葉集』も同じ時期に、僕は国文学専攻だったので基礎教養として学んだんですが、千年以上も昔の和歌なのに、男女の想い合う気持ちって連続してるんだなと感じてました。この2つは種のように僕の中にずっとあって、それが最初のイメージと繋がって組み合わさっていきました」。

「タカオとユキノが出会うきっかけとなる直接的な意味ではもちろん、彼らの人生の中で立ち止まっている時期という象徴的な意味でも、これは雨宿りの映画」と新海監督。当然と言うべきか本作における雨の描写は特別な意味を持って観客の心に染み込んでくる。

「例えば最初に2人が出会ったときに降っている雨は2人を隔てるカーテンのように降り注いでます。2人の関係が深まっていくにつれて雨も小降りになるし、タカオが初めてユキノの足に触れた日は、天が祝福するかのようにキラキラした天気雨が降り、土砂降りの雨は2人の背中を後押しする。

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