【シネマVOYAGE】音楽を片手にN.Y.散策へ…『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』
(Photo:cinemacafe.net)
どこか旅に出るときに、必ず持っていく旅アイテムが誰にでもひとつやふたつあるだろう。美しい景色と旅の思い出を記録するカメラであったり、その場所で感じた気持ちを綴るためのノートや鉛筆であったり、お気に入りの本、街を散策するための歩きやすい靴…きっとそれぞれ違う。「音楽」を持って旅に出るという人もきっと多いはずだ。
今回のシネマVOYAGEで紹介する『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』は、まさに音楽を持って旅したくなる映画。音楽を聴きながらニューヨークの街を歩いてみたくなる、主人公のルーウィン・デイヴィスが歩いた道をたどってみたくなる映画だ。
2013年にカンヌ国際映画祭グランプリを受賞していること、コーエン兄弟の新作であることからもこの映画がいい映画、素晴らしい映画であることはすでに保証済。そんな大きな期待を持って観てもさらに「素晴らしい!」と唸ってしまうのだから凄い。その凄さは、何と言っても主人公のルーウィン・デイヴィスを演じたオスカー・アイザックの歌唱力とギターの演奏、哀愁おびた雰囲気──。
ルーウィンは伝説のフォーク・シンガー、デイヴ・ヴァン・ロンクがモデル。