2014年8月30日 12:15
【インタビュー】橋本愛 全てを捨て、全てを糧に18歳は歩き続ける
(Photo:cinemacafe.net)
「私、18歳になる時に、いままでの自分を全部、捨てちゃったんです」――。
字面だけ見ると、若さゆえの奇をてらった“不思議ちゃん”発言のようだが、さにあらず。彼女の言葉はフワフワと宙を浮いてはいない。いや、言葉以前に彼女の佇まいそのものが、18歳という年齢が信じられないほどの地に足の着いた落ち着きを感じさせる。自分を無理に大きく見せようとするような気負いが全く感じられないのだ。改めて映画『リトル・フォレスト』で、実年齢よりも年上の主人公を違和感なく演じられたワケが分かる気がする。
社会現象となった「あまちゃん」で主人公・アキ(能年玲奈)の親友の美少女・ユイを演じ、お茶の間の誰もが知る存在となった橋本愛。「あまちゃん」と同じく岩手県で撮影された『リトル・フォレスト』のオファーは、まだ「あまちゃん」を撮影していた時期に彼女の元に届き、その後、1年にわたって季節を巡りながら撮影が進められた。
原作は「月刊アフタヌーン」(講談社刊)に連載された五十嵐大介の人気漫画。東北の小森と呼ばれる小さな集落にてひとりで暮らす主人公・いち子が、自給自足に近い生活を送る姿をカメラが静かに追いかけていく。