くらし情報『【インタビュー】俳優・役所広司の声の仕事 “カタチ”をとらない導き手』

【インタビュー】俳優・役所広司の声の仕事 “カタチ”をとらない導き手

そういうところからすでに感性が違っているような気がしますよね。どっちが良いのかは分からないですが、すぐ行って会える方がいいのか、160km離れた遥か遠くの人のことを思う気持ちがもっと大きくなってる人たちの方が豊かなのか――そういうところが『地球イチバン』の面白さだと思います。

羅針盤も何にもなくて方角を決める動物的な勘なんて、もう僕たちはきっと退化してるだろうし。ちょっと前までは方角も分かったのに、ナビができてからもう本当に考えなくなってきた。そういうところでね、もっと人間って能力があるのに、便利な方に進むと、人間自体はどんどん退化していくような気がしました」。

人間が進化を続ける上で、文明の利器による本能の退化――「地球イチバン」で感じた世界を通して、そんな部分にまで目を向ける役所さん。なんとステキな話をしてくれることか!そんなこと思いながら、最後に役所さん自身の旅(冒険)について聞いてみると、まさかの答えが返ってきた…。「どこでも僕にとっては、冒険なんです。
自転車でどこか都内を走っていると、もうすぐに“冒険”になるんですよ…方向音痴なので(苦笑)。『オレの家はどっちなんだ!』『オレが向かってるのはどっちなんだ!』っていうふうに、路地なんかを走ってると分からなくなっちゃうんですよ、自転車だとナビも付いてないですから。

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