由紀さおりが語る、音楽界の次世代アーティストに求められる資質とは? 今夜放送「sing!sing!sing!」決勝戦
――印象に残っているシーンは?
由紀:最初のア・カペラ審査です。今の若い人たちは、カラオケで練習することが多いから(歌の抑揚の)持って行き方がみんな同じになりやすい。でも、ア・カペラで歌うときはカラオケのように後押しがないから、そこをどう歌うかは、今の若者には過酷な審査だなと思って見ていました。
――由紀さんはどのようなヴォーカリストをご覧になりたいですか?
由紀:今の若い人たちはみんなハイトーンで同じような歌い方をするから、ちょっと個性が足りない気がするの。それと、リズム重視で歌詞が二の次となっている人が多いかな。だから、私は“日本語をきれいに歌うヴォーカリスト”に出てきてほしいと思っています。
――“日本語をきれいに歌うヴォーカリスト”とは?
由紀:私は、日本語はリズムより旋律が大事だと思うの。今の人たちは、濁音と鼻濁音の使い分けができていない。
さだまさしさんや谷村新司さんなど私たちの世代は、日本語の綺麗さ・優しさが伝わるように歌ってきた世代だから、そういう人が出てきてくれると嬉しいなと思う。ただ今の時代だと弱々しく聴こえてしまうのかもしれないけどね。
――今の音楽をどのように感じていらっしゃいますか?
由紀:今の音楽は、想像させることが減って、歌った事そのままが感情表現になっていると思う。