【インタビュー】快進撃の池松壮亮 多忙な若き名優の苦悩「僕の心は10しかない」
(Photo:cinemacafe.net)
「もしかしたら、こじらせてるとでも思われてるんじゃないかな(笑)」。
池松壮亮がこう呟くのには理由がある。『桐島、部活やめるってよ』の吉田大八監督・最新作『紙の月』に池松さんは出演。吉田監督とは昨年の舞台「ぬるい毒」でも組んだ間柄なのだが、その舞台で演じたのがヒロインを翻弄する役なら、今回はヒロインが堕ちていくきっかけとなる役どころ。難しい役の機会が続く中、吉田監督の池松壮亮評を推測してもらった際、冒頭の発言が飛び出した。
「ある意味、大八さんが僕の役に自分を投影している部分もあると思いますよ(笑)。大八さんはものすごく優しくて、いろんなものを大きく捉えることができる人。俯瞰して見ているようなところは、時に人には残酷に映るかもしれない。
もちろん、僕にもそういうところがあるし、人間は誰しもそういうものだとも思っているんですけど。そういった一筋縄ではいかない人間の複雑さが大八さんは好きで、僕もそれが好きで」。
出演を決めた理由も至ってシンプル。「大八さんの作品だから」だそうだ。
「言ってしまえば、ひとりの女性が夫以外の人に恋をして、横領する話なんですよね。